いよいよ北京五輪開幕まで残り1ヶ月を切った。本番でのメダル獲得を目指すボート男子軽量級ダブルスカルの武田大作選手(ダイキ)は、ペアを組む浦和重(NTT東日本)らとともに現在、岩手県花巻市の田瀬湖で最終調整を兼ねた強化合宿に励んでいる。4度目となる五輪に挑む武田選手に、現在の心境を語ってもらった。
(写真:北京五輪でのメダル獲得を目指す武田選手)
――今シーズン、ワールドカップで2戦に参戦されましたが、振り返っていかがですか?
武田: 今シーズン、ワールドカップ第1戦のドイツ大会(5月8〜11日)、第3戦のポーランド大会(6月20〜22日)とヨーロッパで2戦を戦いましたが(どちらも決勝進出ならず)、結果は良くありませんでした。4月から技術的な改良に取り組んでいるのですが、その過程だったこともあり、いろいろやりすぎてコンビネーションが安定しなかったことが原因です。6月末から岩手の強化合宿に入っていますが、ここにきて徐々に改良されてきています。

――この強化合宿の位置づけは?
武田: この岩手の合宿では、高い強度でのスピードとテクニックを強化しています。最後の追い込みですね。ハードですが、良い練習をしっかりやって、あとは調整に入ります。スピードは少なからず上がっていると思います。

――五輪が近づいてきた心境はいかがですか?
武田: またこの時期が来たな、という感じで、なぜかあまり緊張感がないんですよね。8月10日から予選が始まるので、1日には北京入りしますが、現地に入ればテンションが上がるのかな、と。4度目の五輪ですから、ある意味落ち着いて臨めると思います。今はマイペースにやっています(笑)。

――北京五輪のコースの特徴は?
武田: 逆風が強いと聞いています。昨年、世界ジュニア選手権が五輪のコースで開催されたのですが、その結果を見ると、風はそんなに気にするほどではないかな、と。中国では上海のレースに出たことはありますが、北京は初めてなので楽しみですね。

――大気汚染、食事などいろいろ言われていますが、そういう面での不安、対策は?
武田: 僕らは選手村に入らないので、食事には気をつけないといけないなと思っています。ぜんそく持ちなので、大気汚染はちょっと困るな、と。薬で対応したいですね。ただ、何があってもしょうがない、と楽観的に考えています。今、何かと話題の国ですし、どんなところなんだろうと、楽しみにしている部分もあります(笑)。

――暑さ対策は?
武田: 気候は日本と変わらないと思うので、そんなに気にしていません。ただ、熱がこもらないように、身体をしっかり冷やしたりはしようと思っています。

――ご家族も北京に行かれるそうですが、お子様たちからのエールは?
武田: 家族はけっこう冷静ですね。子どもたちには、自分の姿はもちろんですけど、オリンピックの雰囲気を味わってほしいと思っています。やはりあの舞台は特別ですから、それを子どものうちに味わえるというのは素晴らしいことだと思います。お父さんのおかげやぞ、と言いたいですね(笑)。

――どこの国がライバルとなりそうですか?
武田: 今シーズンはイギリス、イタリアが強いですね。あとは昨年のチャンピオンのデンマーク。ただ、どのチームも実力は僅差ですから、誰が勝ってもおかしくない。そこに我々も入っている。ライバルよりも、自分たちのコンディショニングをしっかりして調子を上げることですね。力をしっかり発揮できれば、おのずと結果につながると思います。

――あらためて五輪に向けた意気込みをお願いします。
武田: 北京は4度目の五輪なので、僕にとって出ることには意義はない、と思っています。アテネ五輪と同じ浦(和重)がパートナーですし、ここは勝たないことにはしょうがない、と。勝負の舞台だと思っています。

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