９月21日、埼玉県戸田市の戸田ボートコースで行われたボートの全日本選手権男子シングルスカル決勝で、北京五輪代表の武田大作（ダイキ）が７分０秒60で３連覇を果たし、自らが持つ大会最多優勝回数を更新する10度目の優勝を決めた。
　同じく21日、東京・六本木ヒルズアリーナで行われたビーチバレーのJBVチャンピオンズカップ最終日、女子は楠原千秋（湘南ベルマーレ）・佐伯美香（ダイキ）組が優勝し、初代チャンピオンに輝いた。
（写真：ボート全日本選手権、男子シングルスカル決勝。圧倒的な強さで３連覇、10度目の優勝を果たした武田選手）
10度目のV！ ｢家族、両親に感謝」
〜ボート・武田大作選手〜

　シドニー、アテネと男子ダブルスカルで五輪２大会連続入賞を果たした武田選手。「メダル獲得」を掲げて臨んだ北京五輪では、決勝進出を逃すという「（シングルスカルで出場したアトランタを含め）４度の五輪で一番悔しい大会」（武田選手）に終わった。
　悔しさから、北京から帰国した当日の午後には練習を開始したという武田選手だが、４年後のロンドン五輪に向けては「今回の借りを返したい気持ちもあるが、４年間は長い。世界のレベルも上がっている。この先も自分がさらに強くなる確信が持てれば、４年後を目指したい気持ちはある」と複雑な思いを語っていた。

　当初より出場を予定していた今大会は、武田選手にとって今後の競技生活を考える一つの材料となるレースだった。
　雨が降りしきる悪コンディションとなったが、序盤からトップに立った武田選手は、後続をまったく寄せ付けない貫禄のレース運びを見せると７分０秒60で10度目の優勝を果たした。
「オリンピックが終わって、気持ちが切れてしまった」とは言うが、２位の栗原誠和（日本大学）に10秒以上の差をつける貫禄の優勝。「北京ではズレが出てしまって艇と対話ができなかったので、今回は対話できるように、と思って臨んだ。タイムはあまりよくないが、内容はよかったと思う。予選、準決勝、決勝と感覚は良くなった。（10回目の優勝について）元気にやれたことに感謝したい。家族、両親のおかげです」と笑顔で語った。

　気になるのが今後の競技生活についてだが、「ロンドンまでは４年間と長い。世界のトップ選手をさらに超えていける能力を持たないとやっていけないので…」と明言は避けた。一方で「子どももかみさんも『次はロンドンだね』と言ってくれている」と４年後への意欲も示した。
　武田選手は10月の大分国体にも出場を予定している。「世界を目指すかはともかくとして、ボートは自分のライフワークですからずっと続けたいですね」。ボートへの熱い思いは変わることはない。
（写真：10度目の優勝を果たし笑顔の武田選手）


「悔しさを今後に生かしたい」
〜ママさんビーチバレー選手、佐伯美香の「子育て日記」vol.16〜

　すっかり秋らしい季節になってきました。食欲の秋、スポーツの秋、読書の秋……。息子、健太の運動会も今月27日に予定されています。毎日、今は運動会の練習に励んでいることでしょう。小学校最初の運動会。腕によりをかけたお弁当を持って、久々の息子の勇姿を目に焼き付けたいと思います。

　ところで北京オリンピックでは、皆さん、ご声援ありがとうございました。思うような結果は残せませんでしたが、これが今の実力だと思います。
　今回の悔しさ、経験をこれからの人生にしっかり生かしていきたいと思います。

（写真：北京五輪前の最終戦、マーメイドカップにて。佐伯選手（左）と楠原選手）
　北京から戻り、ホッとする暇もなく、毎週週末には試合が待ち受けています。
　ＪＢＶお台場大会、岡山大会、ふくいグランドスラムにチャンピオンズカップ――。北京では自分達の力を出せず、悔いが残りましたので、その後の国内大会では、まず自分自身楽しんでやろう、そして観客の皆さんに感動していただけるような試合をしたいという気持ちで望みました。自然と結果はついてきています。
　どういうモチベーションをもって、その大会に臨むべきなのか？　北京の地で、学んだことの１つです。
　今日、まさに今年最後の六本木ヒルズでのチャンピオンズカップ。楽しんでプレーしたいと思います。
　これからもご声援、よろしくお願いします。
（９月20日・佐伯美香）

★佐伯・楠原、北京後４連勝！
　北京五輪では決勝リーグ進出を逃した佐伯・楠原組が、帰国後の連戦で負けなしの強さを見せている。
　８月29〜31日のＪＢＶツアー2008第４戦のお台場大会、９月５〜７日のJBVツアー2008第５戦岡山大会でともに優勝した佐伯・楠原は年間王者に輝いた。
　さらに９月13〜15日のふくいカップJBVグランドスラム美浜大会を制し、続く９月20〜21日、東京・六本木で行われたJBVチャンピオンシップでも３勝０敗で優勝を果たし、初代チャンピオンに輝いた。

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