二宮: 今回から雲海酒造さんのお酒を囲みながら、さまざまなゲストとこのコーナーで楽しく語らいたいと考えています。リニューアル初回は、やはり宮崎県出身のおかみさんが最もふさわしいとご登場をお願いしました。わざわざお着物でお越しいただいてありがとうございます。
花田: 焼酎を楽しめるということなので、着物にしてみました。雲海酒造さんには先代の故・中島勝美社長に、親方の現役時代、宮崎で「貴乃花を応援する会」の会長をしていただきました。大変お世話になって、ご縁を感じています。


 親方は焼酎好き

二宮: 親方とも何度かお酒の席でご一緒しましたが、焼酎はお好きですよね?
花田: はい。特に芋焼酎が好きですね。他のお酒もいろいろ飲みますが、やっぱり焼酎ですね。

二宮: 今回はおかみさんとご一緒できるということで、とっておきのお酒をご用意しました。「マヤンの呟(つぶや)き」です。本格そば焼酎の原酒を樫樽の中で、ブランデーなどと同じように3年以上、寝かせた長期貯蔵酒。アルコール度数は38度と高めですが、ぜひロックでいただきましょう。
花田: ボトルからして焼酎っぽくないですね。あっ、香りも違う。ブランデーみたい。

二宮: 本当ですね。何も分からずに出されたら焼酎だとはわかりません。
花田: おいしい。今日は楽しいお話ができそうです。

二宮: 先程もご紹介したようにおかみさんは宮崎のご出身。やはり実家ではご両親がよく焼酎を飲まれていたのですか?
花田: 実はうちは父がお酒が強くなくて、逆に母が大好きだったんです。家族で食事に行ってお酒を注文すると、店員さんが必ず父のところにグラスを運ぶ。それを母が「ゴメンネ」と言って、自分のところに運んでいました(笑)。私は妹と2人姉妹なんですけど、2人とも母に似まして……。やっぱり宮崎といえば焼酎ですから、母もよく飲んでいましたね。

二宮: ということは雲海酒造さんの焼酎にはなじみがあったと?
花田: もちろんです。宮崎だったら一家に1本は雲海酒造さんの焼酎があるんじゃないですか。

二宮: おかみさんがお酒を楽しみ始めたのは、いつ頃でしょう?
花田: 大学時代ですね。当時は焼酎よりもカクテルがブームでした。カクテルが甘いジュースみたいでおいしいというところから、お酒を飲むようになりました。六本木にようやくワインバーができた頃で、みんなで白ワインをいただいたこともあります。

二宮: ワインブームのはしりの時代ですね。
花田: その頃は女子寮住まいだったんです。上智大で外国人が多かったせいか飲酒禁止でした。でも、みんなで隠れてコンビニで焼酎を買ってきて、オレンジジュースで割って飲んだ覚えがあります。もう、時効ですね(笑)。
 でも、それこそ焼酎の本当のおいしさを知ったのは、親方に教えてもらってからです。それまでは焼酎を進んで飲むことはあまりなかった。悪酔いしないところがいいですよね。

 夢にも出てきた朝番組の思い出

二宮: 昔話になりますが、私は親方よりも前におかみさんとご一緒にお仕事をしていたんですよね。約20年前、フジテレビで朝に放送されていた「FNN World Uplink」。私が最初に毎週レギュラーで出演させてもらった番組なので、とても印象に残っています。
花田: 今でこそレギュラーコメンテーターが朝の情報番組には必ずいらっしゃいますが、その当時では先駆けでしたよね。

二宮: そのコメンテーター陣が豪華でした。舛添要一さんに、田中眞紀子さん、外交評論家の岡本行夫さん……。皆さん、今も第一線で活躍されている。
花田: あの番組は入社3年目で担当させてもらいました。最初はパリの支局からの中継で出演して、途中から東京のスタジオでのMCになったんです。

二宮: 日本では朝6時30分からの番組だったんですけど、フランスでは何時頃からの出演だったですか?
花田: 向こうでは夜11時半からのスタートでした。だから、朝から夕方までの間に取材をしてスタッフが映像を編集するという流れになっていました。スタッフが日本とやり取りをしてる間に、私は着替えを済ませて、スタジオに行く。実は、その時に出るお弁当が日本食だったんです。最初はサケ弁当が出てうれしかったんですけど、バリエーションがなくて毎日同じようなお弁当……。焼き鳥とお寿司とのローテーションだったかな。フランス料理なんて、ほとんど食べた記憶がないですから。とてもおいしかったんですけど、しばらくは日本に帰ってもサケ弁当が食べられなくなっちゃいました(苦笑)。

二宮: パリ支局には何人ぐらいスタッフがいらっしゃったんですか?
花田: 私のほかにスタッフが4、5人で、みんなフル稼働していました。休みもないくらい忙しかったですけど、今となってはいい思い出です。

二宮: テレビ局も景気のいい時代だったので、パリだけじゃなくてニューヨークや、いろんな海外支局と中継をつないでいましたよね。今、振り返ってみると国際色豊かないい番組でした。そして東京に戻られてからは“朝の顔”。相当、モテたのでは?(笑)
花田: 全然。だって、番組に出るために毎朝、3時起きですから。テレビ局には4時入りで迎えが来ることになっていました。そうすると、睡眠時間を確保するには9時には絶対寝ないといけない。デートも何もできやしませんよ。

二宮: そんな早い時間には眠れないでしょう?
花田: でも一度、体内時計を調整すると、その時間になると眠くなるんですよね。みんなで夜にフランス料理を食べに行った時に、最後のデザートまで体が持たなかったことがあります。眠くて眠くて仕方がない。「申し訳ないです」って先に帰った記憶がありますね。

二宮: 華やかそうに見える裏には、苦労も絶えないんですね。
花田: だから朝の番組を長年やっていらっしゃる方は大変だと思います。先日、退社を発表した高島彩ちゃんは、「めざましテレビ」以外にもレギュラー番組がありましたからね。「いつ寝るんだろう?」って見ているほうが心配になりましたよ。
 これは経験した人間にしか分からないのですが、体内時計がズレてしまって、一度、午後2時くらいに眠くなる。そこで軽く昼寝ができるといいんですけど、だいたい仕事が入っていますからね。夕方になると体がつらかったですよ。

二宮: やはり毎朝、生放送でMCを務めるプレッシャーは相当のものがあったでしょう?
花田: ええ。私自身は「今日はうまくいったぞ」と感じたことは一度もないですね。結婚してからも生放送でハプニングが起きる夢を何度見たことか。夢の中で「まだ原稿来ていません!」とパニックになって、ハッと目が覚める。「あぁ夢か」と思って、また眠りにつくことが幾度もありました。

 きっかけは名古屋での電話

二宮: それは意外ですね。僕は傍から「若いのに落ちついているな」って思いながら見ていましたよ。
 お酒もだいぶ進んできたので、ここだけの話をお聞きしたいのですが、親方とお知り合いになったのは、どういうきっかけですか? 実は、ずっと気になっていまして……。
花田: 今回はそれがテーマですか(笑)。初めて会ったのは、同期の八木亜希子さんから誘われたお食事会ですね。八木さんと当時の若ノ花(のち横綱・若乃花)さんがよく食事会を開いていて、お互いに新しい仲間を呼んでこようという話になったみたいです。そこで若ノ花さんが大関に昇進したばかりの親方を、八木さんが私に声をかけた。その時は「まぁ時間が空いているからいいかな」くらいの気持ちでした。

二宮: ということは特別、乗り気ではなかったと(笑)?
花田: どちらかというと、相撲は詳しくなかったですね。アナウンサーの立場で言わせてもらうと、四股名がすごく読みにくかった。若花田関、貴花田関って舌噛みそうじゃないですか(笑)。だから人気力士というよりは、“読みにくい名前の人”という印象でした。ただ人気者の半面、メディアからよく叩かれていたので、「実際はどうなんだろう」という興味はありましたね。

二宮: 第一印象はどうでした?
花田: マスコミで流れているイメージとは全く違いましたね。陽気だし、気配りができるし、優しい。「普通の好青年だな」って。

二宮: それで何度か出会いを重ねるうちに交際に発展したわけですね?
花田: でも、年齢を口に出すのはイヤですけど、私は親方より8歳上なんですよ。だから、まさか結婚するとは思ってもみませんでした。最初の食事会から何度かグループでお会いした後、しばらく特に連絡もなかった時期もあったんです。ちょうど私もフジテレビを退社してフリーになって忙しく、親方も横綱に上がろうと土俵に集中していた時期です。
 そんな折、私が名古屋に出張に行くと、たまたまホテルに置いてあったスポーツ紙に、また親方が叩かれていた。「あっ、今は名古屋場所か。ちょっと電話してみようかな」。軽い気持ちで電話をすると、「じゃあ東京に帰ったら、会いましょうか」と話が膨らんだ。それが本当にお付き合いを始めたきっかけです。

二宮: でも、おかみさんがわざわざ電話したということは、何か心惹かれるものがあったんでしょうね。
花田: どうなんでしょう? 親方は「オレに気があったんだろ?」って言っていますけど(笑)。私としてはお姉さんのような気持ちで「大丈夫かな」と心配になっただけなんです。

二宮: それはいわゆる「母性本能をくすぐられた」というパターンですよ(笑)。
花田: ウフフフ。なんだかお酒の勢いで喋りすぎちゃいましたかね。

(後編につづく)

<花田景子(はなだ・けいこ)プロフィール>
 11月12日生まれ、宮崎県出身。上智大学在学中は「ミス・ソフィア」に選ばれ、『週刊朝日』などの雑誌にモデルとして出演し、メディアの仕事に携わる。大学卒業後、フジテレビにアナウンサーとして入社。「FNNモーニングコール」「FNN World Uplink」「FNNスピーク」など、ニュース・情報番組を中心に活躍する。94年からフリーに転進。「投稿!特ホウ王国」などの司会を務めた。95年、横綱・貴乃花(現親方)と結婚。3児の母であると同時に、貴乃花部屋のおかみとして奮闘する傍ら、講演やテレビ、雑誌などでも活躍中。







★今回の対談で楽しんだお酒★[/color]

樫樽の中で歳月を重ねることで味わいに深いコクとまろみを加えた、アルコール度数38度の長期貯蔵本格そば焼酎「マヤンの呟(つぶや)き」。国際的な品評会「モンドセレクション」2010年最高金賞(GRAND GOLD MEDAL)受賞。

提供/雲海酒造株式会社

<対談協力>
赤坂 有薫
東京都千代田区永田町2−14−3 エクセルホテル東急3階
TEL:03-3592-0393
営業時間:
ランチ  11:30〜14:00(月〜金、祝日除く)
ディナー 17:00〜22:00(月〜金)、16:00〜21:30(土、日、祝日)

☆プレゼント☆
花田景子さんの直筆サイン色紙を長期貯蔵本格そば焼酎「マヤンの呟(つぶや)き」(720ml、アルコール度数38度)とともに読者3名様にプレゼント致します。ご希望の方はより、本文の最初に「花田さんのサイン色紙希望」と明記の上、下記クイズの答え、住所、氏名、年齢、連絡先(電話番号)、このコーナーへの感想や取り上げて欲しいゲストなどがあれば、お書き添えの上、送信してください。応募者多数の場合は抽選とし、当選は発表をもってかえさせていただきます。たくさんのご応募お待ちしております。なお、ご応募は20歳以上の方に限らせていただきます。
◎クイズ◎
 今回、花田景子さんと楽しんだお酒の名前は?


 お酒は20歳になってから。
 お酒は楽しく適量を。
 飲酒運転は絶対にやめましょう。
 妊娠中や授乳期の飲酒はお控えください。

(構成:石田洋之)
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