二宮: 竹下さんと大友さんは NEC時代からずっと一緒にプレーしてきました。今回のロンドン五輪でも、大事な場面でコンビプレーが決まっていましたね。
竹下: 特に予選のイタリア戦は、試合には負けましたが、彼女の動きは抜群に良かったですね。イタリアにはシモーナ・ジョーリというベテランのセンターがいるんです。これまでさまざまな大会で MVPやベストブロッカー賞、ベストスパイカー賞を獲得してきた、世界のトッププレーヤーの一人なのですが、イタリア戦ではそのジョーリが日本にいるのかと思ったくらいです。

二宮: それほど大友さんの体のキレが良かったと。
竹下: はい。非常に高い決定率だったと思いますし、スピードも本当に速かったんです。

二宮: 大友さんはいかがですか?
大友: いやぁ、もうジョーリと同じだなんて、センタープレーヤーとしたら最高の褒め言葉です(笑)。

二宮: お二人は阿吽の呼吸でプレーしているんでしょうね。
竹下: もともとスピードのある選手なので、私としてはとてもトスを上げやすい。それにチームでも全日本でも、ずっと一緒にやってきていますから、「こういうふうになるだろうな」というのが、瞬時にわかるんです。

二宮: 大友さん、竹下さんのトスはいかがですか?
大友: やっぱり、テンさんのトスが一番合いますね。自分の動きやスピードもわかってくれていますし。テンさんのトスを受けたくて、 JTに入ったくらいですから。

 強力なバックアップ体制

二宮: 試合の中でも、相手にリードされていて、「次の1点を取られたら、試合の流れが決定的になるな」とか、逆に「次の1点を入れた方が主導権を握るだろうな」というように、大事なポイントで大友さんのブロードが効果的に決まっていましたね。
竹下: これまで全日本のセオリーだと、大事な場面ではたとえ決定率が悪くてもサイドアタッカーに上げることがほとんどだったんです。でも、眞鍋(政義)さんは数字を重要視する監督なので「この選手にスパイクを打たせれば、有効的だ」というところにトスを上げるように指示があるんです。だからその試合でセンタープレーヤーの決定率が高ければ、大事な場面でも迷わずセンターにトスを上げました。それが良かったんだと思います。

二宮: 前監督の柳本晶一さんも眞鍋さんも同じセッター出身ですが、細かさで言えば、眞鍋さんの方が上ですか?
竹下: どちらが上とかというわけではないのですが、全く違いますね。柳本さんは選手に任せている部分もあったかなと思いますし、眞鍋さんの場合は細かいことをかみ砕いて伝えてくれるので、そこは選手としてはわかりやすかったなと。

二宮: 眞鍋さんの指示も大量の情報を細かく分析したデータからのものということで、ロンドンでは改めてアナリストの存在がクローズアップされました。
竹下: 確かにアナリストの方もすごいのですが、他のスタッフやコーチ陣のバックアップも大きいと思いますね。それぞれの分野で、それぞれの人が、しっかりとプロとしての仕事をしてくれたからこその銅メダルだったと思います。

(つづく)

竹下佳江(たけした・よしえ)
1978年3月18日、福岡県生まれ。小学校3年生からバレーボールを始める。不知火女子高(現・誠修高)3年時にはユース代表に選出され、世界ユース選手権で優勝した。1996年、NECに入団。翌年、全日本代表に初選出される。2000年シドニー五輪最終予選からレギュラーに定着した。2004年アテネ五輪では5位入賞を果たす。08年北京五輪には主将として出場した。10年の世界選手権で銅メダル獲得に貢献。今夏のロンドン五輪では28年ぶりのメダルに輝いた。JTマーヴェラスでも司令塔として活躍し、2010/11V・プレミアリーグ初優勝に大きく貢献した。今年9月末で退団。

大友愛(おおとも・あい)
1982年3月24日、宮城県生まれ。中学1年からバレーボールを始める。仙台育英高時代には世界ユース選手権で優勝した。2000年、NECに入団し、1年目のVリーグにて新人賞を獲得。01年、ワールドグランプリで日本代表デビューを果たした。04年のアテネ五輪に出場し、5位入賞に貢献。08年、2年ぶりに現役復帰し、久光製薬スプリングスに入団した。09年、JTマーヴェラスに入団し、前年、リーグ9位に陥ったチームの復活に大きく貢献した。翌年には全日本代表に復帰。10年世界選手権では32年ぶりのメダルを獲得する。昨年9月のアジア選手権で右ヒザを痛め、同年10月に手術。半年以上のリハビリを経て全日本に復帰し、2大会ぶりの出場となった今夏のロンドン五輪では銅メダルを獲得した。JTマーヴェラスではチーム一のポイントゲッターとして活躍。今年9月末で退団した竹下との速いコンビネーションで2010/11V・プレミアリーグ初優勝に導いた。

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2012/13V・プレミアリーグ、男子は11月3日(土)開幕!
 JTサンダーズは「自考改革」をチームスローガンに掲げ、ユニフォームもリニューアル! 入れ替え戦に回った昨シーズンの雪辱を果たすとともに、悲願の初優勝を目指して心機一転、リーグ戦に挑みます。

<開幕からの試合日程>
11月3日(土)14:00 vs 鹿沼総合体育館(栃木)
11月4日(日)14:00頃 vsFC東京 太田市運動公園市民体育館(群馬)
11月10日(土)14:00 vs豊田合成 岡崎中央総合公園総合体育館(愛知)
11月11日(日)15:00頃 vsパナソニック 岡崎中央総合公園総合体育館(愛知)
11月17日(土)16:00頃 vs東レ 福山市緑町公園屋内競技場(広島)
11月18日(日)15:00頃 vsサントリー  福山市緑町公園屋内競技場(広島)
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(構成・斎藤寿子)
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