6月7日(日)、2015プレナスなでしこリーグ2部の第12節となる愛媛FCレディース対JAPANサッカーカレッジレディースの一戦が、愛媛県総合運動公園球技場にて行われた。
 今シーズンから、愛媛FCレディースが参戦しているリーグ戦の名称が「なでしこリーグ2部」に変更となり、チーム数も愛媛を入れて10チームに絞られた。その全チームで1部への昇格圏内である2位以内を目指して争うシーズンとなっている。試合数も昨年から5試合増えて、年間27試合を戦う過酷なリーグ戦へと進化している。
 第11節終了時点、愛媛FCレディースは5勝5敗1引き分けという戦績。上位チームと粘り強く戦えている試合もあり、健闘していると思うのだが、「5勝のうち、ホームでの勝利が1試合だけ」という状況は少し心配でもある。

 数多くのサポーターやファンが来場している目の前で、試合後に敗戦を報告しなければならないのは彼女たちとって辛いことだと思う。ホームでの勝利は、モチベーションのアップやチームの結束力を強めることにも繋がる。

 今後のリーグ戦においても、チームにとっても、ホームゲームでの勝敗は重要なポイントになってくるように感じられるのだ。今日こそは多くの愛媛サポーターが見守る中、勝ち点3を奪取してほしい。

 この日の会場は晴天に恵まれ、入場者も多かったのだが、残念なのは球技場のピッチコンディション。芝が枯れている部分や、芝が抜け落ち、土が露出している部分も多く、試合中、足を取られる選手も見受けられた。
(写真:芝生の枯れが目立つ、球技場のピッチ)

 今季から試合会場の条件が厳しくなり、天然芝のグラウンドでしか、公式戦が開催できなくなった経緯がある。選手たちへ良い環境を提供できないのは、我々にも責任があるのだが、早い段階で行政と運営側との意思疎通が図れていれば、対応策も立てられたのではないか。そう思えるのだが……。

 時刻は正午を廻り、愛媛FCレディースのキックオフで試合がスタートした。
 立ち上がりから、ボールをキープし、試合を優位に進める愛媛。前半26分、FW阿久根真奈選手が、後方(MF岩本有加選手)からのロビングボールを足元に収め、相手DFラインをドリブルで突破する。そのまま左足で先制ゴールを奪った!

 大歓声が沸き起こるスタンド! 硬い表情だった選手たちにも笑顔がこぼれる。

 前半42分には、阿久根選手が放ったシュートがクロスバーに弾かれ、そこから、こぼれたボールをFW大矢歩選手が押し込み追加点。前半アディショナルタイムにも大矢選手が連続得点を決めて、スコア3−0と愛媛がリードを広げた。

 後半に入っても積極的な攻撃を展開する愛媛。後半5分、MF春山沙織選手からのボールを岩本選手が右足で蹴り込み、4−0とさらに相手を引き離した! サポーターも「スウィーギン、スウィンギン愛媛、フォーエヴァー!」と歓喜のチャントを大合唱!

「これで勝利は、こちら(愛媛)のものだ!」と楽勝ムードが漂い始めて間もなく、相手による怒涛の反撃が会場の雰囲気を一変させた。
 後半14分、自陣ゴール前での混戦からボールを押し込まれ失点。その4分後には、相手MFにDFラインを突破され、2点目を献上。完全に、お尻に火がついた。

 愛媛は必死に守りを固めるが、運動量が落ちない相手に、後手を踏むばかり。後半アディショナルタイムにも、ゴール前に詰められ失点。ついに1点差にまで追い上げられてしまった。

 それでも最後は、何とか耐え忍んでタイムアップ。楽勝ムードから一変し、肝を冷やすような展開にはなったが、最終スコア4−3で愛媛がホームで勝ち点3を手に入れた。

 ホームゲームとしては、4試合ぶりの勝利ということで、試合後、会場には歓喜と安堵の輪が広がっていた。最後は私による音頭の下、選手たちと一緒にラインダンスを踊り、勝利を称えた。

 いよいよ夏場のサバイバルへと突入するリーグ戦。今節では終盤、気温が上昇する中、相手チームに走り負けていたように思われる。すべての試合が日中の最高気温時に行われるため、選手個々のスタミナやペースの配分などが今後の課題と言えるのかもしれない。

 チームが瀬戸際の状況に立った時、我々も選手たちの背中を、あとひと押しできるような応援を心がけて試合へと臨みたいと感じている。


松本 晋司(まつもと しんじ)プロフィール>
 1967年5月14日、愛媛県松山市出身。
 愛媛FCサポーターズクラブ「Laranja Torcida(ラランジャ・トルシーダ)」代表。2000年2月6日発足の初代愛媛FCサポーター組織創設メンバーであり、愛媛FCサポーターズクラブ「ARANCINO(アランチーノ)」元代表。愛媛FC協賛スポンサー企業役員。南宇和高校サッカー部や愛媛FCユースチームの全国区での活躍から石橋智之総監督の志に共感し、愛媛FCが、四国リーグに参戦していた時期より応援・支援活動を始める。


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