北京五輪卓球日本代表選手団の壮行会が5日、東京の代々木第2体育館で行われた。男子、女子計6名の代表選手全員が登場し、エキシビジョンマッチなどで会場を沸かせた。卓球競技での日本人初メダルの獲得が期待される福原愛は「北京では悔いの残らないようにがんばって、笑顔で帰ってきたい」とファンの前で本番への意欲を語った。
(写真:五輪用の新ユニホームに身を包んだ代表選手たち)
 様々なイベントが行われた会場で一番の盛り上がりをみせたのは、6選手がそれぞれ登場した壮行試合だった。その中でも一際大きな声援を受け、最後の4試合目に登場した女子シングルスの福原は実業選抜選手に3−0のストレート勝ちを収め、世界ランキング12位の実力をみせつけた。3ゲーム目には一時5ポイント差をつけられる苦しい展開だったが、徐々に追い上げていき、デュースの末、このゲームをものにした。終わってみれば1ゲームも落とさない完勝だった。

 しかし壮行会の和やかなムードの中でも福原は「今日の試合でまた課題ができたので、自分の長所を伸ばしつつ改善していきたい」とコメント。「現時点の調子は60%」と、残り少なくなった北京への調整期間で、さらにコンディションを上げ、本番に臨むことを誓った。前回アテネ大会ではベスト16。北京ではさらに上位を目指し、念願の表彰台までたどり着くことを期待したい。
(写真:笑顔の中にも自身2度目の五輪へ強い決意が感じられた福原)

 一方、男子で順調な仕上がりをみせたのは、水谷隼・岸川聖也の両選手が登場したダブルスだ。日本選手権2連覇中の若いコンビはこの日も息のあった卓球を披露し、低い弾道のキレのいい打球で相手を圧倒、ゲームカウント3−1で実業団選抜に勝利した。

 世界ランキング23位と急激に力をつけてきた水谷にも、福原同様にメダル獲得の期待がかかる。水谷は壮行会で「悔いのない試合をして、メダルが獲得できるようにがんばります」と力強く語り、観客からは大きな拍手が起こった。

 卓球競技は1988年ソウル大会から五輪の正式種目になったが、まだ日本勢のメダル獲得はない。男女のシングルス・ダブルスのほかに、今回から男女の団体種目が追加された。今年の1月に中国・広州で行われた世界選手権では男子、女子ともに団体戦3位で銅メダルを獲得している。それだけにオリンピックでも表彰台の期待が大きい。

 また壮行会では、卓球日本代表チームが使用する新ユニホームのお披露目も行われた。ミズノ社製の北京仕様ユニホームは4年前の物に比べ20%の軽量化を実現しており、通気性に優れた素材を使用。色は鮮やかなグリーンを基調としている。高機能の新ユニホームが、高温が予想される室内で厳しい戦いに挑む日本代表をサポートしてくれそうだ。
 日本代表選手は以下のとおり。

【北京オリンピック卓球日本代表】
男子
水谷隼(19、スヴェンソン)
韓陽(29、東京アート)
岸川聖也(21、スヴェンソン)
(写真:左から韓陽、水谷、岸川)

女子
福原愛(19、全日空)
平野早矢香(23、ミキハウス)
福岡春菜(24、中国電力)
(写真:左から福原、平野、福岡)

※( )内は年齢、所属