27日、サッカー日本代表候補は千葉県内でのトレーニングキャンプの3日目(最終日)で流通経済大学と60分の練習試合を2本行い、1本目が4−0、2本目が5−0でそれぞれ快勝した。
(写真:流経大の選手と競り合う播戸<左>)
 30日のJリーグ第18節後、アジアカップに臨む23人が発表される。今合宿はオシム監督の眼前でアピールできる残り少ない機会だ。それだけに選手たちの目の色が違った。
 
 1本目からFWが次々とゴールを重ねた。口火を切ったのは今季のリーグ戦で5戦5発と絶好調の前田。ゴール前で横パスを受けると、左足のシュートフェイントでマークをかわし、右足でゴール左隅へ流し込んだ。負けじとFW播戸、FW佐藤寿も流れの中でネットを揺らして、アピールした。

(写真:1ゴールを記録した前田) 2本目は、流れるような展開からFW矢野が先制点を記録。FW高原から左サイドでスルーパスを受けたMF羽生の折り返しを、右足で合わせた。
 そして、高い個人技を見せたのは4点目を奪った高原。MF中村俊のタテパスを受けると、左に切り返して目の前のDFをかわし、左斜め45度から右隅へ豪快に叩き込んだ。
 1本目は4−0、2本目は5−0とそれぞれ数多くのゴールを奪って、短期間の合宿を打ち上げた。


<闘莉王、水本は見送り>
 
 選手たちは今回のゲームの重要性を熟知していた。「生き残りをかけてプレーした。得点以外の部分も見てもらっているとは思うが、ゴールにからめたことはよかった」と播戸。矢野は「自分は(23人枠の)当落線上にいる。みんなもそう考えていたように感じた。非常に緊張感のある合宿だった」と短期間の合宿を振り返った。

 オシム監督は既に23人枠を決めたようだ。30日のJリーグが残っているが「(30日の試合はメンバー選考の)大きな意味を持たない。土曜日(29日)になってまだ迷っているようでは監督の仕事ができていない」として、「アジア杯だけでなく、その先を考えて、20代半ばの成熟した選手を中心に構成する」と明言。

 故障で今合宿に参加しなかったDF闘莉王とDF水本については「2人は重要だが、欠けたからといって日本というチームは崩壊しない。(アジア杯に)チャンスはない」と見送ることを明らかとした。メンバー選考には随分頭を悩ませたようで、「23人を選ぶというより、外すことに複雑な感情を持っている。皆、暑い中、真剣にトレーニングをして、生活態度もよかった。今回外れたことが一生に影響するかもしれないと考えた」と苦渋の表情で語った。

<日本代表候補 先発メンバー>

【第1試合】
GK 
川口 能活
DF
本田 圭佑
阿部 勇樹
中澤 佑二
橋本 英郎
MF
家長 昭博
遠藤 保仁
前田 遼一
FW
佐藤 寿人
播戸 竜二
巻 誠一郎

※加地、駒野が途中交代

【第2試合】
GK 
川島 永嗣
DF
山岸 智
今野 泰幸
坪井 慶介
伊野波 雅彦
MF
鈴木 啓太
中村 憲剛
中村 俊輔
羽生 直剛
FW
高原 直泰
矢野 貴章

※水野、太田が途中交代