皆さん、お正月はいかがお過ごしでしょうか。僕は大学ラグビーをテレビで楽しみました。サッカーの天皇杯や箱根駅伝もいいですが、ラグビーもおもしろいですよ。8日は決勝戦(帝京大-天理大)がありますから、ぜひ観てみてください。

 さて、新年を迎え、新チームのメンバーもほぼ固まってきました。ガイナーズはご存知のように抑えの冨田康祐、中軸の中村真崇とリ・ミョンファン、センターラインの亀澤恭平、西森将司がNPBやKBOへの入団が決まり、香川を去ります。そして昨年末のドラフトで新たに9選手を獲得しました。

 メンバーの入れ替わりが激しいのは独立リーグ球団の宿命です。幸い投手ではエースの高尾健太や酒井大介がいますし、野手でも国本和俊、島袋翔伍らが残留します。彼らに新戦力がどこまで迫れるかがポイントになるでしょう。

 特にポジション争いが激戦になりそうなのはキャッチャーです。正捕手の西森が横浜入りし、18歳の大川修也、22歳の寺崎英一に、新入団の星野雄大(岡山東商高-日産自動車九州-伯和ビクトリーズ)、小野知久(倉敷商高校-IPU環太平洋大-和歌山箕島球友会)が加わって4人で競争するかたちになります。

 ドラフト2位指名した星野は伯和ビクトリーズで東京ヤクルトの七條祐樹とバッテリーを組んでいました。今年で24歳になりますが、都市対抗でもホームランを放っており、バッターとしても非凡なものがあります。昨年のドラフトでは育成選手としてソフトバンクが指名する動きもあったようです。

 キャッチャーは他にも増して経験が求められるポジションです。西森がそうだったように、試合に出るなかで勝てる捕手へと成長を遂げてほしいと感じています。

 また1位指名した左腕の渡邊靖彬(藤枝明誠高-京都ジャスティス)も逸材です。彼はお父さんも元阪神の選手で、サウスポーから140キロ超の速球を投げ込みます。高校時代からNPBも注目していたようです。どのような起用法になるかは分かりませんが、キャンプ、オープン戦を通じて見極めたいと思います。

 今季はリーグの方針により、各球団に米独立リーグから外国人選手が入ることになりました。しかし、助っ人になるかどうかはフタを開けなくては分かりません。今回、入団する選手はまず自らの特徴を最大限に発揮し、レギュラーを掴むつもりで香川に来てほしいと感じています。

 このリーグの醍醐味は実戦を重ねるなかで、選手が急成長を遂げるところにあります。昨季ならリ・ミョンファンがいい例でしょう。最初は確実性が低く、下位を打たせていたのに、徐々に日本の野球に慣れ、8月には月間MVPを獲得するほどになりました。

 ですから選手たちも独立リーグがゴールではなくスタートという思いで1年間、取り組んでほしいと願っています。人間はついつい時間が経つと最初の頃の気持ちを忘れがちです。新年にあたり、僕自身も含めて初心を大切に1年間を過ごしたいと感じています。

 そして一生懸命、野球に打ち込む姿をひとりでも多くの方に見てもらい、元気になって家へ帰ってほしいものです。政治、経済の状況をみていると、今年も決してラクではないでしょう。だからこそ、せめて球場に来ている時だけは夢や希望を抱ける試合をお見せします。

 ベースボールで香川を、そして日本を元気に。これが今年のテーマです。2012年もどうか皆様、よろしくお願いします。

(このコーナーは毎月1日に更新します) 


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