前節(24日)の首位・東京ヴェルディ戦は3-1で勝利。上位には強い愛媛をまたも証明するかたちになりましたね。

 雨でピッチコンディションが最悪のなか、出場した全選手が気持ちを切らさず、戦い抜きました。不運の失点で先制を許したものの、そこから落ち込むことなく挽回できたことはチームにとって大きかったと思います。

 前々節の四国ダービー(対徳島ヴォルティス戦)は0-3の敗戦。負けられない一戦で不甲斐ない試合をしてしまいました。翌日にはビデオを見て選手同士で意見交換をし、バルバリッチ監督からも気持ちを込めたプレーの大切さについて話がありました。

 東京V戦では、その反省をひとりひとりが生かしてピッチに立ったことが勝利につながったのでしょう。これでダービーの悔しさを晴らせたとは思いませんが、サポーターの皆さんに少しだけ借りが返せたことは良かったです。

 前半戦締めくくりのゲームで勝ち点3を取り、現在、愛媛は9位。上位を狙うには、まずまずの位置につけています。ただ、本当の勝負はここからです。昨季も夏場で失速して順位を大きく下げただけに、暑い時期をどう乗り切るかはチーム全体の課題でしょう。

 僕自身、前半戦は全くチームの力になれず、不本意な日々を過ごしました。後半戦は上位争いに貢献できるよう、監督の求めているレベルに、もっと自分を高めていきたいと考えています。

 さて前回も触れたEUROがいよいよ大詰めを迎えました。個人的には、イタリアに注目です。2010年のW杯後にチェーザレ・プランデッリ監督が就任して以来、この国のサッカーは大きく変貌を遂げつつあります。それまでの守りを中心としたスタイルから、攻撃的なポゼッションサッカーを志向するようになりました。

 しかし、イタリアのような強豪国は常に結果を求められます。今回のEUROで敗れれば、モデルチェンジは失敗とみなされるでしょう。この改革をさらに推し進めるためには、彼らは勝たなくてはいけないのです。

 総合力が高く攻守にバランスの取れたドイツに、変幻自在な攻撃サッカーが魅力のスペイン。この両国を続けて下すのは容易ではありません。ただし、スペインも今のイタリアのようなどんどんボールを持って攻めてくるスタイルには戸惑うはずです。

 ここまで来れば、どこが勝ってもおかしくありません。いずれにしても一瞬も見逃せない激戦になることは間違いないでしょう。

 約1カ月間、EUROを見てきて、僕のプレーのアイデアも随分増えたような気がします。毎日が「こういうやり方もあるんだ」という発見の連続でしたね。

 たとえばボールをもらう時の動きひとつとっても、いろいろなバリエーションが参考になりました。事前に自分の行きたい方向のスペースを空けておいて、ボールが出た瞬間に素早く走り込む方法もあれば、逆に相手DFの選手が動くのをあえて待つことでボールを受ける時間と場所をつくる方法もある。EUROのピッチには最先端のサッカーの教材がたくさん転がっていました。

 問題はこれらをいかに自分のモノにできるかです。そのために練習から考えてプレーすることは言うまでもありません。幸いコンディションは良く、いい状態でトレーニングができています。

 周囲からは年齢のことを言われますが、僕自身はまだ伸びしろがたくさんあると信じています。他の選手が進化し続けているなか、僕がひとりだけ止まったら、その時は選手として終わりです。大好きなサッカーをもっともっとうまくなりたい。この意欲を1分1秒たりとも途切れさせることなく、これからも頑張ります。

 7月は九州でのアウェー戦(1日=アビスパ福岡、8日=ギラヴァンツ北九州)が続きます。応援、よろしくお願いします。

(この連載は毎月第2、4木曜更新です)


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