グラクソ・スミスクライン株式会社が運営する喘息情報ウェブサイト「Zensoku.jp」にて、当HP編集長・二宮清純がナビゲーターを務める対談シリーズ「二宮清純のゼンソク人間学」が好評配信中です。幼い頃から喘息に悩まされてきた二宮が、病気を克服して活躍しているスポーツ選手、元選手と対談。喘息をいかに乗り越えるかというテーマで話を進める中で、この病気への理解を深め、患者さんを勇気づけることを目指しています。同シリーズでは現在、柔道家の谷本歩実選手、獨協医科大学呼吸器・アレルギー内科教授の福田健先生との対談を公開中です!

(写真:谷本選手(中央)、福田先生(右)と記念撮影)
 当サイトでは対談の一部を特別にご紹介します。
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 症状が出るのは3月

二宮: 柔道を始めたきっかけは?
谷本: 私は運動神経が子供の頃からよかったので、オリンピックなんて知らない保育園の頃から、「オリンピックに出るんだ」と親に言い聞かされていました。ところがアレルギーになったり、中耳炎になったりと体が弱くて、しょっちゅう病院に通っていました。それで小学校3年生の頃に柔道を始めたんです。柔道のおかげで体は強くなったとは思うんですけど。

二宮: 喘息の症状は改善されなかったんですか?
谷本: 柔道と同時に陸上も始めて、症状が悪化するのは年3回くらいになりました。大学に入る頃には年1回になっていたんです。一時はもう治ったと思っていたんですけど、日本代表候補に選ばれてJISS(国立スポーツ科学センター)で検査をすると、そのたびに喘息という診断が出ていました。

二宮: 症状が悪化する兆候はありますか?
谷本: 私たちアスリートはドーピングの問題があるので、薬を摂取した時は手帳に記録しておきます。それを見ると、必ず3月に症状が悪化するんです。熱が出て、その後、喘息の発作が出る。

二宮: 3月という季節は、症状が悪化しやすい時期なのでしょうか?
福田: 一般的には季節の変わり目に発作が起こりやすいと言われていますが、はっきりとはしていません。2月、3月といえば感冒が多い時期。今のお話だと、熱が出て発作につながるということなので、感冒が引き金になっているかもしれませんね。喘息の患者さんは、普通の人よりもライノウィルスによる風邪を引きやすいことが報告されています。ところで、柔道で大会が多い季節はありますか?

谷本: 冬にヨーロッパで遠征がずっと続いて、それから帰ってくるのがちょうど2月の終わり。4月には全日本体重別選手権という国内の大きな大会があるので、3月はちょうどホッとする時期でもあり、体も一番疲れがたまっている時期です。
福田: 免疫力は体の活動と関係しています。たとえば苛酷な練習や大会の後には、一時期に免疫力が低下する。そういう時に感冒のウイルスに感染して、それが喘息の発作に結びついているのかもしれません。
谷本: 最近は風邪をひかなければ喘息の症状も出にくいことが自分の中でもわかってきたんです。私の場合の大敵は、風邪ですね。
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「Zensoku.jp」では谷本選手からの動画メッセージも合わせて配信中です。後編は6月10日更新予定。今後も球界を代表するクローザーの藤川球児投手など、喘息を乗り越えて活躍する各スポーツのアスリートがゲストとして登場します。どうぞお楽しみに!
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