18日、日本高校野球連盟は第83回選抜高校野球大会を予定通りの23日に開幕することを発表した。11日に起きた東日本大震災の影響を受けて開催の可否をめぐり、高野連は18日に臨時運営委員会を開いた。協議を重ねた結果、「がんばろう! 日本」をスローガンに被災者やその家族らを応援する大会と位置づけ、実施する決断を下した。入場料収入の一部は義援金として被災地へと送られる。
 15日には組み合わせ抽選会が行なわれ、1回戦の対戦カードが決まっていた。しかし、日一日と犠牲者の数が増え、さらにトラブル続きの原発も未だ解決していない。被害の全容が判明しない中、大会開催については賛否両論あった。そのため、戦争の影響で中断となった1942〜46年以来、予定されていた大会としては史上初の中止の可能性も十分に考えられた。しかし、高野連は開催を決意。その理由を奥島孝康日本高野連会長は次のように語った。
「甲子園の土を踏むという選手の夢を実現させたいと考えた。真剣にプレーする姿が、被災者や国民の一筋の光になればいい」

 抽選会には出席せず、出場が危ぶまれていた被災地・宮城県仙台市の東北高も16日には出場の意向を示しており、32校そろっての開催となる。しかし、開会式では入場行進を取りやめ、ブラスバンドなどの鳴り物の応援を禁止するなど、被災地に配慮するかたちで行なわれることとなった。