3月27日(日)
◇1回戦
 エースで4番の竹内、3ラン含む4打点の活躍
城南(徳島)      8 = 000121004
報徳学園(兵庫)   5 = 000020102
【本塁打】
(城)竹内
 創立1875年と徳島県内で最も古い歴史をもつ初出場の城南と、昨夏4強の強豪・報徳学園との対戦は、序盤は投手戦となった。昨夏、1年生ながら全5試合に登板し、4強入りに大きく貢献した報徳学園の2年生エース田村伊知郎は、3回まで1本のヒットも許さない完璧なピッチングを見せた。一方、城南のエースで4番、まさにチームの大黒柱である竹内勇太も初回、先頭打者にいきなりヒットを打たれるも、後続を断ち、無失点で切り抜けると、2回以降は報徳学園打線を寄せ付けなかった。
 均衡が破れたのは4回表。城南は先頭の2番・出口翔一朗(3年)が死球で出塁すると、3番・松原直之(3年)の送りバントで二塁へ。4番・竹内は相手守備のエラーで出塁し、1死一、三塁とした。無安打で先制のチャンスをつかんだ城南は、5番・奥浦康平(3年)のチーム初安打がタイムリーとなり、甲子園初得点を挙げた。続く5回表、城南は2点を追加した。
 その裏、報徳学園が反撃する。先頭の7番・越井元樹(3年)がヒットで出塁すると、8番・佐渡友怜王(2年)が送りバントを決めて1死二塁とした。2死後、1番・武内一馬(3年)が四球で出塁すると、2番・平智也(3年)が走者一掃のタイムリー二塁打を放ち、2点を返した。その後、両校は1点ずつを加え、城南1点リードで最終回を迎えた。

 9回表、城南は先頭の8番・柳川慶太(3年)がヒットで出塁すると、次打者の送りバントで二塁へ。多田は二ゴロに打ち取られるも、この間に柳川は三進した。ここで報徳学園エースの田村の制球が乱れる。出口への3球目が痛恨の暴投となり、三塁ランナーを返してしまう。さらに出口、松原を四球で出し、打席には竹内を迎えた。昨秋、出場32校トップの打率6割9厘をマークした竹内。初球の直球を迷わず振り抜くと、打球はレフトスタンドへ。貴重なダメ押しとなる3点を追加した。
 その裏、報徳学園は脅威の粘りを見せた。先頭の代打・屋富祖拓哉(3年)が相手守備のエラーで出塁すると、武内のヒットで三進し、無死一、三塁とした。続く平の打球は遊ゴロとなるも、屋富祖が生還し、まずは1点を返した。3番・永岡駿治(2年)がヒットで続き、2死後、5番・池田晃賢(2年)にもタイムリーが出て、3点差と迫った。
 打席には6番・田村。この試合、無安打の田村は内角高めの直球を打ち上げ、ショートフライに。互いに力投を続けてきたエース同士の対決は、竹内に軍配が上がり、城南が初戦突破を果たした。


 鹿実、逆転勝ちで初戦突破
浦和学院(埼玉)   3 = 101100000
鹿児島実        5 = 11002100×

 強豪校同士の対戦は序盤から一進一退の攻防戦となった。1回表、浦和学院は先頭の日高史也(3年)がヒットで出塁すると、2番・遠藤生(3年)がきっちりと送りバントを決め、1死二塁とした。3番・小林賢剛(3年)のタイムリーで浦和学院が先制した。その裏、鹿児島実も2死二塁から4番・浜田竜之祐(3年)が同点タイムリーを放ち、すぐさま試合を振り出しに戻した。続く2回裏、鹿児島実が1点追加して勝ち越すも、浦和学院は3、4回に1点ずつを追加し、再び1点をリードする。

 5回裏、鹿児島実は2番・杉山正(3年)が四球で出塁すると、3番・豊住康太(3年)がヒットで続いた。ここで浜田は手堅くバントするも、この打球を浦和学院エースの佐藤拓也(2年)が弾き、どこにも投げられない。無死満塁と鹿児島実にとって絶好のチャンスに5番・揚村恭平(3年)がタイムリーを放ち、2点追加。鹿児島実が1点を勝ち越した。続く6回裏、佐藤がまたも打球の処理を誤り、自らのミスで先頭の9番・佐々木大介(3年)を出すと、暴投で二進させてしまう。1番・平山大海(3年)には送りバントを決められると、さらに杉山には前の回に続いて四球を与えて1死一、三塁とピンチを招いた。そして豊住には高めに浮いた変化球を弾き返され、1点を失った。

 一方、鹿児島実のエース野田昇吾(3年)は中盤以降、毎回のようにランナーを出しながらも要所を締め、浦和学院に追加点を許さなかった。最終回も落ち着いたピッチングで三者凡退に切ってとる好投を披露した。結局、浦和学院打線に10安打を打たれながら、3失点に抑えて完投勝ち。鹿児島実は2回戦で21世紀枠の城南(徳島)と対戦する。


 公式戦初登板の庄司、1失点完投
関西(岡山)         1 = 000000001
東海大相模(神奈川)   9 = 22032000×

 準優勝した昨夏の甲子園経験者が6人残る東海大相模は、先発に公式戦初登板となる庄司拓哉(2年)を起用した。その庄司が初回、いきなりピンチを迎える。先頭の1番・小倉貴大(3年)にヒットを打たれると、次打者を空振り三振に切ってとるも、3、4番に四球を与え、満塁としてしまう。しかし、5番・福井寛十郎(3年)を空振り三振、6番・関泰典(3年)をライトフライに打ち取り、無失点で切り抜けた。
 ピンチのあとにチャンスあり。その裏、東海大相模は今大会屈指の好投手・堅田裕太(3年)の立ち上がりを攻めた。先頭の1番・渡辺勝(3年)、2番・臼田哲也(3年)が連続安打を放ち、さらに臼田が盗塁を決めて無死二、三塁とした。3番・田中俊太(3年)は空振り三振に倒れるも、4番・佐藤大貴(3年)が走者一掃のタイムリーを放ち、東海大相模が2点を先制した。続く2回裏にも臼田のタイムリー三塁打などで2点を追加し、早くも試合の主導権を握った。

 4回裏にも1点を失った関西は堅田をライトに下げ、ショートを守っていた水原浩登(3年)にスイッチした。しかし、水原もいきなり四球を与えると、盗塁を決められ、2死ながら二、三塁のピンチに。ここで佐藤に走者一掃の二塁打を浴びた。さらに水原は5回裏にも四死球でランナーを出すと、守備のエラー、さらには自らの暴投で2点を失った。
 一方、打線から大きな援護をもらった東海大相模の庄司は2回以降、ほぼ完璧なピッチングで関西打線を封じた。

 なんとか一矢報いたい関西は9回表、1死から代打・小山悠也(3年)、6番・関と連打が出る。打席には堅田。堅田は外角の変化球を思いっきり引っ張り、ライトへ運んだ。これで二塁ランナー小山が返り、関西に待望の1点が入った。2死後には9番・小林一樹(3年)が四球で出塁し、満塁となった。しかし、反撃もここまで。最後は小倉がセンターフライに倒れて、ゲームセットとなった。東海大相模は結局、公式戦初登板の庄司が1失点完投。打線も10安打9得点と投打に圧倒し、2回戦進出を決めた。