3月28日(月)
◇1回戦
 大垣日大、17安打の猛攻で快勝
大垣日大(岐阜)   7 = 500002000
東北(宮城)      0 = 000000000
【本塁打】
(大)畑
 1回戦の最後となったこの試合、大垣日大が初回、東北のエース上村健人(3年)の立ち上がりを攻めた。まずは先頭打者の1番・畑和来(3年)が、まだプレイボールのサイレンが鳴り響く中、初球、内角寄りのストレートをライトスタンドへ運び、本塁打で先制した。さらに2番・後藤健太(3年)が二塁打を放つと、3番・星野真一郎(3年)がきっちりと送りバントを決めて1死三塁とした。4番・高田直宏(3年)のタイムリーで2点目を挙げた大垣日大はその後、7番・野々部怜(3年)、8番・上木健晴(2年)にもタイムリーが出て、この回一挙5点を奪った。
 しかし、2回以降は上村が立ち直り、毎回のようにランナーをスコアリングポジションに置きながらも粘りのピッチングで大垣日大に追加点を許さなかった。

 再び試合が動いたのは6回表。大垣日大は先頭の9番・安藤嘉朗(3年)が三塁打を放ち、追加点のチャンスをつくる。畑、後藤が凡打に終わるも、3番・星野のヒットで安藤が生還。さらに星野が盗塁を決めて2死二塁とすると、続く4番・高田にもタイムリーが出て、大垣日大はその差を7点に広げた。
 東日本大震災の被災地となった地元の期待に応えるためにも、なんとか一矢報いたい東北は先頭の3番・小川裕人(3年)が、3回に自らが放った以来となるチーム3本目のヒットで出塁した。4番・上村が空振り三振に倒れるも、5番・茶谷良太(2年)がヒットで続き、1死一、二塁とする。しかし、6番・斉藤圭吾(2年)が空振り三振に、最後は代打・山田卓也(3年)が一ゴロに倒れ、東北は得点を挙げることができなかった。


◇2回戦
 九州国際大付、初の8強
日本文理(新潟)      2 = 000100001
九州国際大付(福岡)   4 = 10030000×

 初回、日本文理が先制のチャンスをつかむ。先頭の1番・柄沢友哉(2年)がヒットで出塁すると、2番・野口竜義(2年)がきっちりと送りバントを決めて、1死二塁とした。しかし、3番・湯本翔太(3年)は空振り三振、4番・村上将紫(3年)はセンターフライに倒れ、ランナーを返すことができなかった。その裏、今度は九州国際大付が先頭の1番・平原優太(2年)がヒットで出塁すると、すかさず盗塁を決め、無死二塁とした。2死後、初戦で本塁打を放っている4番・高城俊人(3年)がタイムリーを放ち、九州国際大付が先制した。

 4回表、日本文理は先頭の3番・湯本が四球で出塁すると、4番・村上は送りバントを決めて、1死二塁とした。ここで2回表に二塁打を放っている5番・南場将也(3年)が一塁線を破る同点タイムリーを放ち、試合を振り出しに戻した。
 しかし、その裏、九州国際大付は2死一、三塁から9番・石迫悠摩(2年)がセンターオーバーの2点タイムリーを放つ。さらに1番・平原にもタイムリーが出て、この回3点を奪った。続く2番・安藤がヒットで続き、2死一、三塁となったところで、日本文理はエース田村勇磨(2年)から2番手・波多野陽介(2年)にスイッチした。その波多野はバックの好守備にも助けられ、6回まで要所を締めて無失点に封じる。さらに7、8回は三者凡退に切ってとる好投を披露した。

 3点ビハインドで迎えた9回表、日本文理は先頭の南場がライト線を破る二塁打で出塁すると、6番・薄田寛也(2年)の二ゴロの間に三進する。続く7番・秋山将輝(3年)は四球で出塁すると、代打・古俣峻大(3年)のレフトへの当たりが犠牲フライとなり、1点を返した。しかし、反撃もここまで。最後は代打・吉田由宇(3年)が投ゴロに倒れてゲームセット。九州国際大付エースの三好は7安打を打たれながら要所を締め、初戦に続いて完投勝ちを収め、初の8強入りに大きく貢献した。


 北海、48年ぶりの8強
天理(奈良)     0 = 000000000
北海(北海道)   1 = 00000100×

 伝統校同士の対戦となったこの試合は、互いにランナーをスコアリングポジションに進めながらあと1本が出ず、ゼロ行進が続いた。2回裏、北海は2死から7番・氏家崚(3年)がヒットで出塁すると、8番・玉熊将一(2年)は内野安打で続いた。ここで9番・磯田功洋(3年)が初球の直球をレフトへ弾き返す。二塁ランナー氏家が一気にホームを狙うも、レフトからの好返球に阻まれ、先取点を奪うことができなかった。
 一方、天理は5回表、1死から1番・西浦丈司(3年)が両校通じて初の長打となる二塁打を放つと、2番・岡部遼(3年)が送りバントを決め、2死三塁と先制のチャンスをつかんだ。しかし、3番・森口雄貴(3年)は投ゴロに倒れた。

 ようやく均衡が破れたのは6回裏。北海は2死一、二塁の場面、代打・松本桃太郎(2年)が真ん中にきた直球をセンターへ弾き返すと、二塁ランナーが一気にホームへ。センターからのバックホームは間に合わず、北海に待望の先取点が入った。結局、これが決勝点となる。
1点を追いかける天理は7回からエース西口輔(3年)をマウンドに上げた。その西口はランナーをスコアリングポジションに置いても動じず、要所を締めて追加点を許さなかった。しかし、最後まで打線からの援護はもらえず、天理はわずか1点に泣いた。

 北海は2年生エース玉熊が7安打を打たれながら粘りのピッチングで完封勝ち。初戦に続いて1点差ゲームを制した同校は準優勝した1963年以来、実に48年ぶりのベスト8進出を決めた。