日本相撲協会は1日、東京・両国国技館で臨時理事会を開催し、八百長に関与したと認定した力士や親方23名の処分を発表した。既に八百長を認めた竹縄親方(元幕内・春日錦)、十両・千代白鵬、幕下・恵那司の3名は調査に協力した点を考慮し、2年間の出場(出勤)停止。それ以外の力士と親方20名には引退(退職)勧告が出された。また、関与が認定された力士らの師匠17名も、その監督責任を問い、降格などの処分を下した。うち協会理事を務めていた北の湖親方(元横綱)、九重親方(元横綱・千代の富士)、陸奥親方(元大関・霧島)は、いずれもその職を辞任している。
 引退(退職)を勧告されたのは谷川親方(元小結・海鵬)と幕内の徳瀬川、白馬、春日王、光龍、猛虎浪、琴春日、十両の将司、豊桜、境沢、霜鳳、旭南海、安壮富士、若天狼、清瀬海、幕下の保志光、霧の若、十文字、白乃波、三段目の山本山。彼らのほとんどはこれまで特別調査委員会が実施したヒアリングなどで関与を否定しているが、発覚したメールのやりとりや、先に八百長を認めた3名の証言などから処分を決めた。

 協会では「故意による無気力相撲」に対して懲罰規定を設けており、けん責、給与減額、出場停止、引退勧告、除名の5段階の処分を定めている。引退勧告は、評議員(全親方や横綱、大関、立行司などで構成)全体の4分の3の同意が必要な除名に次ぐ重い罰則だ。

 今回の八百長問題で大相撲は春場所の中止に追い込まれており、放駒理事長(元大関・魁傑)は「ウミを完全に出しきるまで相撲をお見せできない」と語っていた。協会は今回の処分を一区切りとして、5月の夏場所開催を目指したい考えだが、まだ八百長の全容は判明しておらず、トカゲのシッポ切りとの批判は免れない。さらに引退勧告を出された親方、力士からは処分を不服として訴訟を起こす動きも出ている。問題解決の出口は未だ見えないままだ。