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チームロゴとポーズをとるJSRAの上野CEO

 5日、一般社団法人ジャパンエスアール(JSRA)は日本ラグビーフットボール協会で会見を行い、「スーパーラグビー」に参戦する日本チームの名称とロゴを発表した。チーム名は国内外3320通の応募の中から選ばれた「SUN」と「WOLVES」を組み合わせた「SUNWOLVES」(サンウルブズ)に決定。サンウルブズは2月26日開幕のスーパーラグビー2016に参戦する。

「日本ラグビーにとって、極めて新しい取り組み。日本代表の言葉を借りるなら、“歴史をつくる”プロジェクトです。目指す先には2019年大会の成功と日本の勝利」
 JSRAの上野裕一CEOは胸を張る。南半球の世界最高峰リーグであるスーパーラグビーに参戦する日本チームの名称とロゴが明らかになった。

 今年5月29日からの約1カ月間、募集をかけられたチーム名は、南半球の国を中心とした世界各国から3320通の応募があった。サムライ、サンズ、ニンジャ……など日本を象徴する名称が多数寄せられたという。特に多かったのはサン、サンズだが、このままでは商標登録でひっかかる可能性があった。そこでJSRAは応募にあったウルブズを組み合わせ、「サンウルブズ」に決定した。ロゴマークは外部に制作を依頼し、商標調査を経て登録済みだ。

 チーム名の由来は「SUN」(太陽)と「WOLVES」(狼)の2つの単語を単純に組み合わせたかたちだ。「SUN」は日出ずる国である日本を象徴し、燃え上がる太陽のように熱いパッションを持って、挑戦する力強さを表している。「WOLVES」は仲間を守り、群れで統率をとり、組織力で獲物を捕らえる。身体は大きくなくとも、俊敏で、よく走るという日本ラグビーのプレースタイルと重ね合わせているという。ロゴマークのNの文字は太陽の光を表現するため、明るく縁どられている。狼を照らす赤は、日本ラグビーの新たな夜明けを象徴。狼が口を大きく開け、牙をむき出しにする姿は、自分より大きな強敵に恐れることなく襲いかかる、その表れだ。

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上野CEOは「不可能と思われていることへのチャレンジ。夢に向かって1歩1歩踏み出すことの大切さを伝えていければ」と語る


 チーム編成は上野CEOが「代表強化が大前提」と言うように日本代表選手をベースに構成する方針だ。日本ラグビー協会と連携を取りながら、ヘッドコーチやメンバーは11月を目処に発表される予定だという。海外の代表選手入りの可能性について、上野CEOは「強化のために必要となる優秀な選手に来ていただければお願いする」と語る。スーパーラグビーを主催するSANZARからは、「全体の価値を上げること。競争をきちんと担保しなさい」と要求を受けている。初年度から連敗や大敗ばかりではメンツが立たない。ハイレベルな外国人選手が入ることで、チームが強くなり、日本人選手の成長を促すことにつながれば、これ以上のことはないだろう。

 コンセプトには「BREAK THE LINE」(壁をぶち破れ)を掲げる。ラグビーのラインブレイクに由来しているが、上野CEOは現在開催中のW杯での日本代表の活躍に触れ、「まずは(南アフリカ戦で)ファーストラインを大きくブレイクしてくれた。さらに波状攻撃を仕掛けたい」と意気込む。W杯で史上初の2勝を挙げた日本代表。キャプテンのリーチ・マイケル(東芝)をはじめ、SH田中史朗(パナソニック)ら主力選手はスーパーラグビーを経験したことで、個の力が上がったことは間違いない。今回の日本チーム参戦により、個だけでなくチームとしてもレベルアップを図りたい。それが4年後、日本開催でのW杯で、日本が更なる壁を突き破っていくきっかけになる。

(文・写真/杉浦泰介)