21日、07-08シーズンのbjリーグ・ドラフト会議が都内で行われ、1巡目、新規参入の琉球ゴールデンキングスは元アイシン・シーホースのPG澤岻直人を、同じく新規参入のライジング福岡は昨季高松ファイブアローズでプレーしたPG中川和之を指名した。昨季大阪エヴェッサに所属したSG仲村直人は1巡目で東京アパッチに指名されたものの、会議終了直後、大阪のPG城宝匡史とのトレードが発表された。
(写真:河内敏光コミッショナー<中央>とドラフトで指名された選手たち)


 ドラフト会議に先立って行われたエキスパンション・ドラフト(※)では、琉球は権利を行使せず、福岡は前身の「福岡BBボーイズ」の川面剛ら3名を指名。その結果、琉球がドラフト会議の1番目の指名順を得た。
※新規参入2チームが既存チームからプロテクトされなかった選手の中から希望選手を指名できる

 記念すべき07-08シーズンのドラフト会議の1巡目1番目、琉球が指名したのは地元出身の澤岻。10日の最終トライアウトでは堂々としたゲームメイクを披露した今ドラフトの注目株だ。「(澤岻を)指名できるとはわかっていたが、ホッとした」という木村達郎代表は「ウチとしては沖縄県出身の選手がほしかった。ただ、その点を除いたとしても、澤岻君を獲りにいったと思う。そのくらい、彼の能力を疑っていないし、彼が今回のドラフトで文字通り�1の選手だったと高く評価している」と大きな期待を寄せていた。

(写真:右から澤岻、仲村、田中)
 その後は、昨季bjリーグでプレーした実績を持つアーリー・チャレンジ制度適用者が順当に名を連ねた。福岡が1巡目2番目に中川和を指名したのを皮切りに、東京が1巡目3番目に仲村を、2巡目3番目に仲西翔を指名。中川和は昨季の高松を新規参入ながら準優勝に導いた主力選手。同ファイナルでは20得点を挙げた。仲村もファイナルのコートに立ち、大阪の連覇に一役買っている。それらの即戦力選手に人気が集まった形だ。

<ドラフトで指名しないチームが増加>
 
 一方、今ドラフトでは指名された選手の少なさが目立った。琉球の3巡目1番目を最後に指名がパタリとやみ、最終的にわずか7名。指名権を行使したのは10チーム中3チームにとどまった。8チーム中5チームが権利を行使し、17名もの選手が指名を受けた昨季と比べてみると、その少なさがよくわかる。

 理由の一つとして考えられるのが、ドラフト制度の変更だ。『実力伯仲』をキーワードに掲げるbjリーグは、プロテクト人数の基準値を昨季までの各チーム一律3人から、過去の2シーズンの成績に応じたものに変えた。過去に一度もプレーオフに進出していないチームは3名を保護できるが、1度進出すれば2名、2度進出すれば1名しか守れない。

 プロテクト1巡目の指名権を確保すべく、基準値内のわずかな人数(1〜3人)しかプロテクトしなければ、既存の主力選手を新規参入チームに奪われるリスクが高くなる。かといって、プロテクトの基準値を1名でも超過すれば、指名巡目が後退するため、希望の選手を指名できる可能性は低くなる。このような状況では、思い切って数多くの既存選手を保護し、ドラフト会議で指名権を行使しないチームが現れるのも無理はない。

(写真:右から澤岻、琉球ヘルナンドHC、田中)
 昨季3位の大分は基準値を6名上回る8名を、同4位の新潟は5名上回る6名をプロテクト。基準値を4名超過する6名を保護した高松の青木幹典HCは「結局、ドラフトの1位指名権をとるか、プロテクトをするかという選択。ウチの選手はまだ若いし伸びしろはあるから、プロテクトして鍛える」と話す。

 新規参入ながら、3巡目で指名を終えた琉球の木村代表は「他のチームが僕らの予想以上に早くドラフトを終えた。ということは、僕らもドラフト会議で無理に獲得しなくても、後で選手を呼んで、コーチがそのプレーをじっくり見てから契約をするという手順の方が確実ではないかと思った」と語った。

 ドラフト会議以外にもチームトライアウトや外国人選手の獲得という“抜け道”が残されている。bjリーグにとって、選手獲得の制度見直しは避けては通れない問題といえそうだ。

<仲村が城宝とトレード>

 ドラフト会議終了直後、東京に1巡目3番目で指名されたばかりの仲村と大阪の城宝とのトレードが発表された。大阪の上原光徳代表はトレードの理由について「東京アパッチから城宝獲得に関する熱烈なオファーを頂いた。仲村は昨季2連覇に大きく貢献してくれた。来季も日本最強チームの一員となってくれるよう契約交渉を行う」とコメントを寄せた。一方、城宝の優先交渉権を獲得した東京の大場アシスタントコーチ兼選手は「(城宝は)非常にクレバーな選手。私が一番評価しているのはディフェンスの部分だが、シュート力もある」と期待を込めて話した。


<ドラフト会議 指名選手>

※福岡が川面剛をプロテクト、エキスパンション・ドラフトでディアン・ティエルノ・ヌロ(高松)、ウム・スンミン(富山)を指名したため、ドラフト会議での指名順は琉球、福岡となる

【1巡目】
琉球: 澤岻直人(前アイシン・シーホース)
福岡: 中川和之(前高松ファイブアローズ)
東京: 仲村直人(前大阪エヴェッサ)
富山: 指名放棄
仙台: 指名放棄
富山: 指名放棄

【2巡目】
琉球: 田中健(前トヨタ自動車アルバルク)
福岡: 中園隆一郎(前福太郎クラブ)
東京: 仲村翔自(前東京アパッチ)
大阪: 指名放棄

【3巡目】
琉球: ブライアン・シンプソン
福岡: 指名放棄
東京: 指名放棄
埼玉: 指名放棄

【4巡目】
琉球: 指名放棄

【5巡目】
高松: 指名放棄

【6巡目】
新潟: 指名放棄

【7巡目】
大分: 指名放棄

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