来季の新戦力として、トライアウトなどを通じて11選手を指名しました。選手の入れ替わりが激しい独立リーグにおいて、最も重要なのは人材確保。今回も伸びしろのある選手をどれだけ見つけられるかをテーマにしていました。
 
 ドラフト1位の石田哲也(日大藤沢高-日本大(準硬式)-06ブルズ)は188センチの長身から角度あるボールを投げます。コントロールもまずまずで、まとまった印象を受ける右腕です。
 
 野手ではオリックスに育成入団する赤松幸輔と、退団する有山裕太が抜けるキャッチャーが第一の補強ポイントでした。そんな中、3位で指名した古川大珠(おかやま山陽高)は18歳ながら、スローイングが安定しています。バッティングは粗いものの、将来性は十二分です。BCリーグでプレー経験のある白橋賢斗(東福岡高-九州産業大-福岡オーシャンズ9-BCリーグ・石川)とともに、レギュラーを争ってほしいと思っています。
 
 トライアウトリーグで合格を出した湊亮将(英明高)も楽しみな素材です。166センチと小柄でも、高校生にしては体ががっちりしており、バッティングに柔らかさを感じます。内野の守備、走塁はこれからですが、地元出身で声援も多いはず。それを追い風に大きく羽ばたいてほしいと望んでいます。
 
 既存の選手では2年目となる19歳、岡村瑞希の成長に期待しています。高卒1年目の今季は故障もあって出遅れ、成績は打率.140と振るいませんでした。しかし、このオフのみやざきフェニックス・リーグや中日との交流試合でNPBとの対戦を経験し、本人も手応えをつかんだようです。
 
 現状は内野守備に関して智勝コーチから技術指導を受け、磨きをかけている段階。ショートのみならず、可能性を広げるため、外野にも挑戦させました。持ち味の俊足を生かすには、バッティングも力強さが求められます。センター中心に打ち分けるテクニックはありますから、この年末年始の課題は筋力アップです。
 
 阪神の金本知憲新監督も若手に体力強化を要求していたように、体づくりは、すべてにおいての基本になります。土台がしっかりしていなければ、ケガをせず、長丁場を戦い抜いて成績を残すことはできません。岡村には地元に戻ってもウエイトトレーニングに励み、一回り大きくなって香川に帰ってきてほしいものです。
 
 また、残念ながら故障で巨人への入団を辞退した松澤裕介にも、ぜひ奮起してほしいと願っています。今季、打点王を獲得した実力は既にスカウトも評価済み。ケガを早く治して、今年を上回る内容をみせれば、再び指名を受けるチャンスはあるでしょう。本人も苦渋の決断だっただけに、その悔しさをプレーにぶつけてもらいたいですね。
 
 今季、中日に途中入団したドリュー・ネイラーのように外国人の発掘にも力を入れていきます。現時点では、サウスポーが1名加わる予定です。毎年、NPB入り選手を輩出していることもあり、年々、「香川で野球をやってみたい」という若手は増えています。BCリーグを含め、独立リーグ12球団が原石獲得にしのぎを削る中、こうした評価を受けることはありがたい話です。
 
 しかし、これにあぐらをかいていてはいけません。今年より来年、来年より再来年と、実績を残し続けることが大事になります。僕も、もう一度、初心に返り、既存の選手も含めて、勝ちながら育てるシステムを構築できるよう頑張ります。今年1年間の応援、本当にありがとうございました。来る2016年もよろしくお願いします。

 

<このコーナーは毎月1日更新です>


◎バックナンバーはこちらから