4二宮: そば焼酎『雲海 黒麹』Soba&Sodaのお味はいかがでしょう?

中野: 濃厚でコクがありますね。これはソーダ割りだからいくらでも入りそう。別の飲み方を試してみたいので、ロックで頂いてもいいですか?

 

二宮: もちろんです。

中野: うーん。やっぱり『雲海 黒麹』のほうがちょっと濃厚でしょうか。飲みやすさなら、そば焼酎『雲海』のほうかな。

 

二宮: ロックとソーダ割りだと、飲んだ印象は違いますか?

中野: ソーダ割りだと、飲みやすいからいくらでも飲めそうですね。でも、そば焼酎を味わいたい人は、ロックで飲んだほうがそばの香りをより楽しめると思います。

 

 

GPは関東勢か、稲垣の逃げか

 

二宮: さていよいよ、競輪界最高峰のレース『KEIRINグランプリ2015』が近づいてきました。今年の見どころは?

中野: やはり、関東勢に注目です。先日、公開抽選会が行われて車番が決定しました。そのときに今年の関東勢の並びが明らかになり、「武田豊樹-平原康太-神山雄一郎」のライン構成で、武田が先頭、平原が番手に回るようです。

 

二宮: ということは、平原選手にチャンスが出そうですね。

中野: だと思います。去年は武田が優勝しましたが、平原の存在ありきの優勝でしたから。なので、“今年は平原に……”という思いが感じられます。しかし、武田も「先頭で頑張る」と言っていたので、どうなるか分かりませんね。

 

二宮: 他に注目する選手はいますか?

中野: 多分、逃げるのは近畿勢の稲垣裕之でしょう。

 

二宮: グランプリで逃げて勝つ選手は、少ない気がします。

中野: あまりいないですね。たしか、1999年に太田真一が逃げて優勝しました。­中団から後ろがもつれたら、先行にいる選手は有利になります。逃げで­勝てるかどうかは、その時のメンバー構成が重要になります。

 

二宮: 今年は3年ぶりに京王閣で開催されます。バンクの特性はありますか?

中野: 追い込みなどの後半型は、コース取りによって最後の直線で、一気に伸びる印象があります。2003年に京王閣で開催されたグランプリでは、最後に山田裕仁が中を割って伸びてきて優勝した。逆に先行型はちょっとキツイ気がします。

 

3現役選手にモノ申す!

 

二宮: 現役を離れてから20年以上が経ちますが、最近の競輪を見ていて思うことは?

中野: 簡単に落車する選手が多いですね。多分、緊張して走っているんだと思うんですが、それは必要な緊張感とは違うものだと思う。むしろ、注意深くないというか。本来は、前にいる選手との車間とか、相手の動きをよく見ながら走りますが、動きを見ずにそのまま走ってしまう選手が多いです。

 

二宮: 状況的な判断ができていないと?

中野: そうですね。最近は接触するとすぐにペナルティをとられるので、選手同士がぶつかり合わないのが当たり前になってきています。なので、突然、その状況になると避けられなくて落車してしまうんです。

 

二宮: 接触も真剣勝負の裏返しととることもできます。

中野: 選手もウエイトトレーニングばかりで自転車に乗っている時間が少ない。昔よりもギア倍数が重くなっているので、踏みこなすためにはパワーが必要になります。となると、パワーをつけるにはウエイトが一番手っ取り早いので、最近の選手はウエイトばかりやっているんです。

 

二宮: 自転車に乗る時間が減ったことで、多少は技術が落ちてきているんでしょうか?

中野: 僕が現役の頃は、「強くなるためには、たくさん自転車に乗りなさい」と言われていたので、自転車に乗ることで身体を鍛えていました。道路を走っていれば、人も出てくるし、犬や猫も出てくるので、それを避けなければいけません。最近の選手にはそういう技術が身についていないですね。

 

二宮: ロードでの練習も少なくなっている傾向にあると。

中野: 街道練習にいかない選手はたくさんいますよ。ウエイトのあとにグラウンドを走るぐらいです。うちの弟子もウエイトを一生懸命やっていますが、果たして自転車に役立っているのかどうか分かりませんね(笑)。

 

シビアな勝負が見たい

 

二宮: バンク内での激しいバトルも、魅力のひとつでした。

中野: 僕は藤巻昇さんに蹴飛ばされたことがありますよ。位置取り争いのところで、藤巻さんに「入れろ」と言われて「嫌です」と答えたら、ガンッと蹴飛ばされた。普通であれば、蹴られた衝撃でハンドルを取られて落車しますが、グッと堪えたら、蹴った勢いで藤巻さんが後ろに下がっていったんです。そのレースは、僕が捲いて、1着でゴールしました。

 

二宮: それはすごいですね(笑)。

中野: レース後、藤巻さんに文句を言おうとしたら、その前に「この野郎!」と睨まれました。あれは怖かった(笑)。藤巻さんは控え室の時から、ライバルを睨んでいましたからね。

 

二宮: バンクの外でも、心理戦が繰り広げられているんですね。

中野: 今はないと思いますが、昔はありましたね。勝負の世界なので、僕はこういうものはあったほうがいいと思います。

 

二宮: 競輪に限らず、最近のスポーツ選手は仲が良いですよね。

中野: 全国的に選手同士が仲良過ぎです。仲が良いのは悪いことではありませんが、それが表面に出てしまうと、勝負をしている感じが見えづらくなってしまう。めちゃくちゃ強い選手が現われてくれれば、周りもそれを追いかけて、一緒に強くなったりするんですが……。

 

二宮: 中野さんに続くビッグネームが出てこないですね。

中野: 僕は辞めて10年ぐらいは、そのほうがいいと思っていました。正直、出てくるなと(笑)。でも、あまりにも出てこないので、ちょっとさみしいですね。競輪界は選手の数がきちんと定められていないので、プロスポーツとしては正直甘いと感じます。たとえば “新人が100人デビューしたら100人クビにする”というルールがあれば、みんな覚悟を持ってこの世界に入ってきて、頑張ると思います。

 

新規ファン獲得のために構造改革を

 

2二宮: 競輪ファンもだいぶ高齢化してきているように感じます。もっと競輪を知らない一般の人も巻き込むべきかと。

中野: そうですね。一番の問題は、競輪界が競技や選手を紹介するような番組をなくしてしまったことだと思います。毎年、グランプリは地上波でも放送しますが、他の大きなレースはほとんどBSでしか放送されません。本当は地上波でもっと流して欲しいんですけどね。

 

二宮: たしかにそうですね。競輪を知らない人たちにとっては、展開が複雑なのかもしれません。

中野: 競輪は個人戦だけどラインを組んで戦うところが醍醐味です。それが面白い部分でもあるし、一番つまらなくしているとも言える。知らない人にとってみたら、ラインの説明は難しくて聞いてもワケがわからないでしょうね。

 

二宮: 解説がうまくないと、見ている人にも伝わりにくいですよね。

中野: ルールが特殊なので、そこはきちんと説明できる人が解説をするべきだと思います。専門用語を並べて喋るのは誰にでもできますが、新規ファンを獲得するためには、なるべく一般の人たちが理解しやすいように説明しなければいけないんです。もっと解説者のレベルを上げる必要があるでしょうね。きちんと教育受けた人しか解説できないとか、そういうシステムを作るべきだと思います。

 

二宮: 経営面でも改善すべき点はあると思います。

中野: そうですね。たとえば、今話題になっている飲食店を競輪場内に持ってくれば、それを目当てに競輪場に足を運ぶ人が増えるかもしれない。色々な方法でお客さんは集められるはずなのに、そういった努力をしようとしません。

 

二宮: 逆に言えば、やり方次第ではまだまだ可能性があるということでしょう。

中野: 公益とかそういうのは別にして、競輪がスタートしてから60年以上も経っているので、競技規則や選手制度も含めて全部見直すべきです。今すぐ変えろとは言いませんが、新しい制度などを作って、少しずつ生まれ変わらなければいけないと思います。

 

二宮: この先、競輪界が盛り上がることを期待しています。是非、また今度ゆっくり、そば焼酎『雲海』Soba&Sodaを飲みながら語り合いましょう。

中野: 是非、またご一緒させて下さい。ただし、12時までしか飲めませんけど(笑)

 

(おわり)

 

飲みたいプロフ<中野浩一(なかの・こういち)>

1955年11月14日、福岡県出身。競輪選手の父親の勧めで競技を始める。72年に日本競輪学校第35期生試験に合格。75年に久留米競輪場で行われたデビュー戦で優勝する。国内戦ではデビュー戦以降18戦無敗の記録を樹立するなど、約1年で当時の最上位クラスA級1班に昇格。78年に競輪祭で初の特別競輪(現GI)優勝すると、80年には日本のプロスポーツ選手として初の年間賞金総額1億円を突破した。85年にはKEIRINグランプリを制し、初代王者に輝いた。国際レースでは76年に世界自転車選手権のプロ・スクラッチ(現スプリント)で4位入賞。翌年から86年まで同種目10連覇を達成した。92年に行われた高松宮杯(GI)を最後に引退。通算優勝回数は169、特別競輪12勝(KEIRINグランプリ1勝、GI11勝)、賞金王は史上最多の6回獲得した。06年春に競輪選手出身者として初の紫綬褒章受章。現在は、公益財団法人日本自転車競技連盟理事、競輪評論家、スポーツコメンテーターなど幅広く活躍中。

 

 今回、中野さんと楽しんだお酒は本格そば焼酎「雲海」。厳選されたそばと、宮崎最北・五ヶ瀬の豊かな自然が育んだ清冽な水で丁寧に造りあげた深い味わい、すっきりとした甘さと爽やかな香りが特徴の本格そば焼酎です。ソーダで割ることで華やかな甘い香りが際立ちます。
提供/雲海酒造株式会社

 

<対談協力>

Mancy’s Tokyo
東京都港区麻布十番1−3−9 TBC麻布
 
TEL:03-5574-7007
カフェ  11:30~04:00(L.O.03:30) 
ランチ  11:30~18:00(L.O.18:00) 
ディナー 18:00~04:00(L.O.03:00)
 

飲みたいサイン(2)☆プレゼント☆

中野さんの直筆サイン色紙を本格そば焼酎「雲海」(900ml、アルコール度数25度)とともに読者3名様にプレゼント致します。ご希望の方はこちらより、本文の最初に「中野浩一さんのサイン希望」と明記の上、下記クイズの答え、住所、氏名、年齢、連絡先(電話番号)、このコーナーへの感想や取り上げて欲しいゲストなどがあれば、お書き添えの上、送信してください。応募者多数の場合は抽選とし、当選発表は発送をもってかえさせていただきます。締切は1月15日(金)までです。たくさんのご応募お待ちしております。なお、ご応募は20歳以上の方に限らせていただきます。

 

◎クイズ◎

 今回、中野浩一さんと楽しんだお酒の名前は?

 

 お酒は20歳になってから。

 お酒は楽しく適量を。

 飲酒運転は絶対にやめましょう。

 妊娠中や授乳期の飲酒はお控えください。

(構成/安部晴奈、写真/杉浦泰介)


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