21日、日本ラグビーフットボール協会は日本代表のヘッドコーチ(HC)にニュージーランド出身のジェイミー・ジョセフ氏の就任を発表した。ジョセフ氏は協会を通じて「ラグビーワールドカップ2019年大会に向けて、日本のラグビーを前進させていくことは、真の挑戦であり、また、名誉なことであると考えています」と抱負を語った。ジョセフ氏は現在、スーパーラグビーのハイランダーズ(ニュージーランド)のHCを務めており、日本代表としての活動はスーパーラグビー終了後を予定している。

 

 ジョセフ氏はニュージーランド・ブレナム出身の46歳。現役時代は主にフランカーとして活躍した。ニュージーランド代表(オールブラックス)として20キャップを誇り、オールブラックスの1995年のW杯準優勝に貢献。同年から日本のサニックス(現宗像サニックス)でプレーし、日本代表では99年のW杯に出場するなど9キャップを刻んだ。指導者としての経歴は、03年にニュージーランド・ウェリントンのアシスタントコーチを4年間務めた後にHCに昇格。ニュージーランド・マオリ代表(現マオリ・オールブラックス)のHCも務めた。11年からはスーパーラグビーのハイランダーズを率いており、就任4年目で12年ぶりのプレーオフ進出。昨シーズンは初優勝に導いた実績を持つ。

 

 エディー・ジョーンズ氏(現イングランド代表HC)に率いられたジャパンは、昨年のイングランドW杯で過去最多の3勝を挙げた。中でも優勝候補の南アフリカ代表を撃破した歴史的ジャイアント・キリングは世界のラグビーに強烈なインパクトを与えた。加えて19年W杯は自国開催である。否が応にも期待は高まる。その中でいつまでも“エディーロス”を嘆くわけにもいかない。日本は新たな船長を迎え、4年後の航海をニュージャパン・ウェイで突き進む。

 

ジョセフ氏のコメント全文

「私と日本ラグビーとのつながりは何年も前に遡りますが、日本が持つ文化、そしてラグビーに対する情熱は、ずっと素晴らしいものだと思っていました。昨年のラグビーワールドカップ2015に発揮された努力の成果は世界のラグビーにとっても歴史的に重要なものでした。私が日本代表でプレーしていた時と比べ、日本ラグビーがどれだけ成長を遂げたのか、はっきりとわかるものでした。選手、日本ラグビーフットボール協会、そして、日本の人々が抱く代表チームに対する誇りを、私は十分に理解しています。ラグビーワールドカップ2019年大会に向けて、日本のラグビーを前進させていくことは、真の挑戦であり、また、名誉なことであると考えています。私は、この任務に胸を高鳴らせ、就任を楽しみにしています」

 

(文/杉浦泰介)