26日、全豪オープン男子シングルス準々決勝で第7シードの錦織圭は、第1シードで前年王者のノバク・ジョコビッチ(セルビア)に3−6、2−6、4−6のストレート負けを喫した。自身同大会初のベスト4進出はならなかった。勝ったジョコビッチは準決勝で第3シードのロジャー・フェデラー(スイス)と対戦する。

 

 世界No.1の壁は厚かった。世界ランキング7位の錦織は、同1位のジョコビッチに完敗を喫した。

 

 第1セットは互いにサービスキープを続けていたが、先にブレークを許したのは錦織だった。第6ゲームに40-0からミスが続き、最後はダブルフォルトでゲームを落とした。一方のジョコビッチはラブゲームでゲームカウントを5-2とした。第8ゲームは錦織がキープ。迎えた第9ゲームはジョコビッチのミスも目立ったが、キープされた。結局、32分で第1セットを取られた。

 

 勢いに乗るジョコビッチに対し、錦織は焦りからかミスショットが目立つ。ラケットを投げて、明らかに苛立った様子を見せる。このセットも2-6で落とした錦織は、メディカルタイムアウトをとり、約3分間を治療に充てた。気持ちも新たに錦織は一気に2ゲームを連取した。ここで錦織が流れを掴むかと思われたが、ジョコビッチが直後にブレークバック。ここ5年は9割近い勝率を誇り、昨年も6度しか負けていない強さを見せつけた。

 

 第4ゲームを錦織がラブゲームでブレークした後も、ジョコビッチは再びブレークバックしてリズムに乗らせてくれない。6、7、8ゲームを連取され、後がなくなった錦織。第9ゲームは粘りを見せて意地でキープしたが、第10ゲームを着実にキープしたジョコビッチに軍配が上がった。

 

 ファーストサービスの成功率はいずれも60%を切るなど、精度は高いとは言えず、調子が良いわけではなかった。しかし、ジョコビッチがブレークチャンスを半分以上モノにしたのに対し、錦織は8分の2と生かし切れなかった。ミスショットを指すアンフォースド・エラーは、ジョコビッチの倍となる54。際どいコースを狙ったがゆえともとれるが、ここぞの場面でポイントを取り切れる世界のトップとの差を見せつけられたかたちとなった。

 

(文/杉浦泰介)