27日、全日本スキー連盟（SAJ）は、スノーボードのスロープスタイル部門の男子未成年選手が大麻を使用した経緯と処分について会見を開いた。

 

　同連盟の古川年正専務理事は、大麻の使用が確認された２選手に対して「１．無期限の会員登録の停止。２．無期限の競技者登録の停止。３．当連盟強化指定選手の取り消し。４．日本オリンピック委員会強化指定選手の解除­」の処分を課すことを発表した。２選手はいずれも未成年のため、個人の特定に繋がる情報は避けられた。

 

　事の発端は匿名者からの情報提供だった­。連盟に「スノーボード選手の中に、海外で­大麻を使用していた選手がいる」と情報が入ったことで、今回の不祥事発覚に到った。連盟は調査チームを編成してヒアリング調査を実施。昨年12月の米・コロラド州の遠征に参加していた２選手に対象を絞り、毛髪検査の結果で大麻の使用を確認した。

 

　使用を認めた選手の証言によると、遠征の最終日に参加した“パーティー”で、見ず知らずの外国人に大麻の使用を薦められた。手渡された瞬間は「タバコか、大麻か分からなかった」という。もう一方の選手は、「僕はやっておりません」と使用を認めておらず、調査チームの聞き取りも拒否している。

 

　今回の処分は、「除名」と同等の効力があり、今後はSAJと国際スキー連盟主催の大会には出場できないが、海外で開催されるプロの大会には出場できる予定だ。同席した高山崇彦理事は「（今回の処分は）­最も重い処分である。」と話した。

 

　日本のスポーツ界は、野球賭博、違法カジノ、大麻使用とアスリートによる不祥事が相次いでいる。各スポーツ団体は、これを他山の石として危機感を持ち、真摯にこれらの問題と向き合わなければならない。