(写真:開幕戦でぶつかるA東京の田中<左>と琉球の岸本<右>と一緒にポーズをとる大河チェアマン)

(写真:開幕戦でぶつかるA東京の田中<左>と琉球の岸本<右>と一緒にポーズをとる大河チェアマン)

 ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグは24日、秋に開幕するB.LEAGUEの開幕戦発表会見を都内のホテルで行った。開幕戦はアルバルク東京(現NBLのトヨタ自動車アルバルク)と、bjリーグ最多優勝を果たしたばかりの琉球ゴールデンキングスに決定した。試合は9月22、23日の2日間、東京・代々木第一体育館で開催する。また22日の試合はフジテレビ系列、NHKBS1、スポナビライブ(インターネット配信)での生中継も決まった。24、25日に行われる他球団の開幕カードは6月に発表される見通しだ。

 

「アルバルク東京はNBLの2015-16シーズンの最高勝率を記録した強豪チーム。琉球ゴールデンキングスは人気実力ともにbjリーグNo.1のチームです。まさに開幕戦にふさわしい好カード。夢の対決が実現いたします」。B.LEAGUEの開幕戦を発表した大河正明チェアマンは胸を張る。

 

 新リーグの旗揚げとなる開幕戦はNBLvs.bjリーグの構図が出来上がった。チームを代表して会見に出席したA東京の田中大貴と琉球の岸本隆一は互いのチームの印象を述べた。田中が琉球を「ブースターと選手スタッフが一体感があって、盛り上がっている」と語れば、岸本は「バスケットが緻密で洗練されたチーム」とA東京を評した。プレシーズンマッチでは対戦経験もある両チーム。岸本によれば、「一度も勝ったことない」とA東京に分があるという。

 

 やっと産声を上げた統一リーグ。NBLを代表して田中は「開幕の舞台に立てるのは限られた人だけだと思うので、しっかりプライドを持って、なおかつ勝ちにこだわりたい」と口にする。一方、bjリーグ代表の岸本は「日本バスケットボールの歴史的な日に立ち会うことができて、すごく興奮していますし、それと同じくらい責任を感じています」と語った。

 

 記念すべきオープニングゲームは、いわば“顔見せ興行”である。A東京と琉球の選手たちに寄せられる重圧は小さくない。日本初のプロバスケットボールリーグを経験している岸本はこう意気込んだ。「勝ち負け以上に“また観に来たい”と思えるようなプレー。多くの人にバスケットボールの魅力を伝えられるように頑張っていきたい」

 

(写真:開幕戦のスペシャルブースターを務めるバスケ経験者の広瀬アリス、中村雅俊、広瀬すず)

(写真:開幕戦のスペシャルブースターを務めるバスケ経験者の広瀬アリス、中村雅俊、広瀬すず)

 開幕戦はスポーツ中継では数少なくなっている地上波生中継を実現させた。フジテレビ系列でゴールデンタイムに生放送。そのほかNHKのBS1やインターネット配信も合わせてB.LEAGUEのデビューを発信していく。「少しでも多くの方に見ていただきたい」との想いを込めた会場は「バスケットボールといえば代々木体育館」ということで代々木第一体育館に設定した。

 

 A東京と琉球以外のチームは開幕戦(22、23日)後の週末となる24日、25日に初陣を迎える。選ばれた2チームのみの開幕戦。既視感のようなものを覚えた人も多いだろう。サッカーのJリーグがそうだった。1993年5月15日、国立競技場で行われたヴェルディ川崎(現東京ヴェルディ)vs.横浜マリノス(現横浜F・マリノス)だ。大河チェアマンも「93年は意識しました」と認める。「あの中継を見て爆発的な盛り上がりを見せた記憶が残っている」と、今度は“B.LEAGUEブーム”を起こそうと鼻息は荒い。

 

 大河チェアマンは「“奇跡を起こそう”をスローガンにやってまいりました。私はチェアマンとして、ここに宣言します。皆さんが今までに体験したことのないような幕開けにふさわしい革新的、そしてサプライズ。さらにはエキサイティングな試合、演出にすることをお約束します」と誓った。

 

 日本バスケットボール界は生まれ変わる。9月22日は、その狼煙を上げるための一戦となる。新たな歴史を刻むと共に、人々の記憶に残るプレーを――。それが果たせれば、バスケットボールは日本のアリーナスポーツを代表し、真のメジャースポーツとして進化を遂げるだろう。

 

(文・写真/杉浦泰介)