6月11~12日、今秋のいわて国体に向けた、ボート愛媛県代表(成年男子・成年女子)の選考会が実施された。場所は愛媛県今治市の玉川ダム漕艇場。ダイキ・ボート部の武田大作はダブルスカルで選考会に参加した。

 

 「いわて国体では一番高い場所、つまり好成績を狙えるカテゴリーに出ようと考えてダブルスカルにエントリーしました。好成績を出して、代表全体の成績を底支えするという作戦です」

 選手であると同時に愛媛県ボート協会強化部部長も務める武田は、いわて国体に向けた戦略をこう語った。武田と井出健二(今治造船)、愛媛県を代表する有力選手2人がダブルスカルに出場し好成績で県代表を引っ張るというのだ。

 今回の代表選考のポイントについても聞いた。
 「昨年のわかやま国体以上の成績をあげるために当然、現時点でのベストメンバーを選ぶことに主眼を置きました。男子はさらにメンバーがレベルアップしているし、昨年は結果が残せなかった女子もいいメンバーを選考できたと思っています」

 

 昨年、成年男子は舵手つきフォア4位、ダブルスカル5位、シングルスカル8位の成績を残している。今年のいわて国体ではそれ以上の成績を残し、さらに来年のえひめ国体につなげたい考えだ。
 「今回の代表選手は愛媛県で活動中の選手、そして県外実業団などで活躍している地元出身者など愛媛県ゆかりの選手で構成しています。愛媛のみなさんにも思い入れを持って応援していただけるんじゃないかと思っています。今後も一層の応援をお願いします」
 いわて国体、そしてえひめ国体に向けてボート愛媛代表が力強く動き出した。

 

daikiTakeda resizeIMG_7325

(写真:選考会2週前の全日本軽量選手権での武田)

◆負傷をおしての準優勝
 この代表選考会の2週間前には、全日本軽量級選手権(5月27~29日・埼玉県・戸田漕艇場)が開催された。
「強化部長よりも選手の方が楽です」と常々語っている武田もここにエントリー。代表選考会に向けての最終調整の場所だったが、思わぬアクシデントに武田は襲われていた。準決勝をトップで通過したが、そのヒザは大きく腫れ上がっていた。
 「レース当日の早朝から急にヒザが腫れて、歩くのもようやくという状態。一応、決勝の出走権は確保しましたが棄権も視野に入れていましたね」

 

 あくまで目標は代表選考会ということで、ここでの無理は禁物。結局、テーピングなどで応急処置を施した武田は決勝に出場し、準優勝を果たした。
 「レースの後は10日間、腫れが引きませんでした。選考会の4日前になってようやく練習ができるような状態でした」
 選考会を終えた武田はこう語った。
「強化部長を務めている私ですが、それでも選考会で結果を残さないと代表にはなれません。そこは全員平等、成績がすべてですから。選考会に出場できたのはもちろん、きちんと結果を残して代表になれたので良かったです」

 選手として、そして強化部長としてホッと一息をついた武田である。

 

 なお補欠を含めて16名のボート愛媛県代表選手は、この後、ボート協会の各理事、体育協会の承認を経て正式発表される。選手名など詳細はまた改めて紹介したい。


◎バックナンバーはこちらから