160617廣瀬さんソロ2(加工済み)二宮: 2杯目はそば焼酎『雲海』の「そばソーダ」をいただきましょう。

廣瀬: 『雲海 黒麹』よりまろやかですね。これも美味しいです。

 

 

二宮: 飲みやすいと、他のゲストの方々にも好評です。

廣瀬: 口当たりが滑らかだけどソーダの爽やかさもあって、料理の邪魔をしない。晩酌にはうってつけのお酒ですね。

 

二宮: さて廣瀬さんは北野高校、慶應義塾大学、そして社会人の東芝でもキャプテンを務められました。

廣瀬: 東芝では4年、キャプテンをやりました。いろいろなことがあったので、きつかったです(笑)。それでもキャプテンを任せていただけたのは、嬉しかった。その間にトップリーグで2回優勝することができました。連覇で結果は出せたと思います。

 

二宮: そして2012年、日本代表のエディー・ジョーンズヘッドコーチのもとでもキャプテンを務めます。

廣瀬: キャプテンをやらせてもらって、僕はあることに気付きました。よく“キャプテン=リーダー”と言われますが、キャプテンが必ずしもいいリーダーになれるとは限らないということです。もちろん、その逆もあります。

 

二宮: それは面白い。キャプテンは全体の調整役を担ったり、時には我慢を強いられたりすることもあります。中間管理職的な要素が強いですね。

廣瀬: そういうところがあります。キャプテンはリーダーである監督のフォロワーでもあるんです。他の選手を引っ張ることも必要だし、フォロワーでもある。両方を兼ね備えているのがキャプテンです。

 

二宮: キャプテンとリーダーは資質が違うということですね。

廣瀬: 本当にそうなんですよ。キャプテンについて突き詰めていったら、リーダー論やキャプテン論で新しい思考法が成立するんじゃないかなと思います。

 

二宮: それは興味深いですね。

廣瀬: 次世代の子供たちに“キャプテンはこういうふうにやったらいいんだよ”とか、“君はここのキャプテンシーが素晴らしいからそこを伸ばした方がいいよ”と伝えられるようになればいい。これはラグビーに限らず、いろいろなチームに素晴らしいキャプテンが生まれることにつながるかもしれない。そうなればスポーツの価値も高まると思うんです。

 

2019年W杯がゴールではない

 

160617広瀬さんソロ3二宮: 2019年にはラグビーW杯が日本で開催されます。

廣瀬: すごく楽しみです。「W杯は特別だ」とたくさんの人が言っていましたが、実際に経験してみてやっぱり特別でした。

 

二宮: どういった点が特別なのでしょうか。

廣瀬: 2015年W杯はイングランド開催でした。ホームとかアウェーというのが、僕らにはなかった。いいラグビーをしたチームを会場の人たちは応援してくれたんです。いい例が日本対南アフリカの試合です。

 

二宮: 試合の途中で日本を応援する人が増えていきました。

廣瀬: そうですね。最後には「南アフリカのファンってどこにいたんや?」というくらい。あれで南アフリカは孤立してしまった。

 

二宮: 観客が後押しした勝利でもあったんでしょうね。4年後に向けて「ここは変えないといけない」と感じている部分はありますか。

廣瀬: 危惧しているのはラグビーが今、ブームのようになっていますが、これをどう根付かせていくか。僕たちのゴールは2019年のW杯ではないんです。

 

二宮: まさしくその通りだと思います。2019年は中間地点であってゴールではない。

廣瀬: はい。これ以上のチャンスは2度と来ない。今、協会の方々はもちろん一生懸命取り組んでくれていますが、まだ十分ではない。もっと選手の力が必要だし、応援してくださるファンの方々の力も必要です。

 

二宮: 大きな波を、どういかすか。

廣瀬: 本当は代表チームが勝ち続けないといけないのですが、勝っても負けても、ラグビー界が成り立つようなシステムをこのタイミングで作らないといけない。あと一番大きな問題はスタジアムだと思いますね。

 

二宮: そのためには地域や行政のバックアップが必要になってきます。

廣瀬: そう思います。行政と組んでどれだけ、ホームスタジアムを作っていけるかが大事だと思います。ようやくですが、W杯のキャンプ地を誘致したいという行政の声が多くなってきました。その中で最終的に「スタジアムを」となれば、一番嬉しいのですが……。例えばですが、1都市だけでなく3都市くらいで連動するかたちでもいいと思うんです。そういったことを今後、模索できたらいいなと思っています。

 

二宮: そのほかにラグビー界の課題は?

廣瀬: 今は目先の課題で手一杯な感じがします。本当に大事な問題は別のところにある。今はさほど重要でなくても、将来、すごく大きなことに関わってくるようなところにも少しずつ着手していかないといけません。

 

スポーツの可能性

 

160617廣瀬さんソロ1(加工済み)二宮: 2020年のオリンピック・パラリンピックに対する取り組みも重要です。

廣瀬: 企業も「パラリンピックの競技をサポートしたい」と言うじゃないですか。では、2020年が終わってから何パーセントの企業が継続的にサポートしてくれるかどうか。そこがすごく怖いですよね。先日、ラグビーとウィルチェアーラグビーで共同イベントをしようということで、ウィルチェアーラグビー日本代表のコーチも務めている三阪洋行選手とお会いしてきました。

 

二宮: ウィルチェアーラグビーは手や足に障がいのある人が、車いすに乗って行うラグビーです。相手の攻撃を止めるために、車いすごとぶつかり合うかなり激しいパラスポーツですよね。映画の「マーダーボール」を見た時は、その激しさにびっくりしました。

廣瀬: そうですね。でも、とても面白い。この間、合宿を観に行かせていただいたのですが、迫力がすごかったです。勉強になったのが、沖縄であまり強くなかったチームが優勝したらしいんですよ。

 

二宮: チームを強くするために何か特別なことをしたのでしょうか?

廣瀬: 健常者の人にウィルチェアーラグビーを本気でやってもらって、対戦相手としてトレーニングしていたらしいんです。これには強化という側面だけでなく、社会的にも大きな意味がある気がしました。パラスポーツも、健常者がやっていい。そういう場がもっと設けられてもいいんじゃないかと……。

 

二宮: パラスポーツの中でも認知度の高い車いすバスケットボールは、健常者もやっていますね。

廣瀬: そういうことがもっと一般的になればいいですよね。障がいがある方で社会になかなか出られない方もいる。社会へ出る一歩を踏み出すために、スポーツができることは必ずあると思うんです。

 

二宮: スポーツの力で健常者と障がい者の垣根が低くなればいいですね。

廣瀬: 本当にそう思います。

 

二宮: 廣瀬さんのキャプテン論、スポーツを通じての社会貢献の熱の入った話に引き込まれ、あっという間にお時間がきてしまいました。

廣瀬: またぜひ、「そばソーダ」を飲みながら、ラグビーのこと、スポーツのことを語り合いましょう。ありがとうございました。

 

(おわり)

 

160608プロフ(160×180)<廣瀬俊朗(ひろせ・としあき)プロフィール>

1981年10月17日、大阪府生まれ。5歳の時にラグビーを始めて、北野高校卒業後に慶応義塾大学理工学部に進学。U-19日本代表に選出される。2004年に東芝に入社し、2年目からレギュラーを奪取する。07年から4シーズンキャプテンを担い、08-09、09-10シーズンではチームをトップリーグプレーオフ優勝に導く。12年から日本代表で2年間、キャプテンを務める。2015年ラグビーW杯イングランド大会は出場こそ叶わなかったが、代表メンバーとして日本の躍進を支えた。現在は東芝の総務部に勤務し、地域貢献、ラグビー普及活動に励む。

 

 今回、廣瀬さんと楽しんだお酒は本格そば焼酎「雲海」。厳選されたそばと、宮崎最北・五ヶ瀬の豊かな自然が育んだ清冽な水で丁寧に造りあげた深い味わい、すっきりとした甘さと爽やかな香りが特徴の本格そば焼酎です。ソーダで割ることで華やかな甘い香りが際立ちます。


提供/雲海酒造株式会社

 

<対談協力>
あさ水
東京都杉並区天沼3-30-2(JR荻窪駅北口から徒歩3分)
TEL:03-3392-8963

 

営業時間
17:30~24:00
日曜定休

 

☆プレゼント☆

廣瀬さんの直筆サイン色紙を本格そば焼酎「雲海」(900ml、アルコール度数25度)とともに読者3名様にプレゼント致します。ご希望の方はこちらより、本文の最初に「廣瀬俊朗さんのサイン希望」と明記の上、下記クイズの答え、住所、氏名、年齢、連絡先(電話番号)、このコーナーへの感想や取り上げて欲しいゲストなどがあれば、お書き添えの上、送信してください。応募者多数の場合は抽選とし、当選発表は発送をもってかえさせていただきます。締切は7月14日(木)までです。たくさんのご応募お待ちしております。なお、ご応募は20歳以上の方に限らせていただきます。

 

◎クイズ◎

 今回、廣瀬さんと楽しんだお酒の名前は?

 お酒は20歳になってから。

 お酒は楽しく適量を。

 飲酒運転は絶対にやめましょう。

 妊娠中や授乳期の飲酒はお控えください。

 

(構成・写真/大木雄貴)


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