160725ワンショット1(加工済み)二宮: そば焼酎『雲海』の「そばソーダ」もだいぶ進んできました。もう1杯いきましょう。

: 飲みやすくて何杯でもいけますね。ソーダ割りは後味がすっきりとして食事にも合う。おかげで話も弾みますね。

 

 

注目はオーバーエイジの興梠

 

二宮: いよいよ、リオデジャネイロ五輪の1次リーグが始まります。手倉森誠監督率いるU-23日本代表はナイジェリア、コロンビア、スウェーデンと同組のグループBです。初戦は5日のナイジェリア戦。前回のロンドン大会はベスト4の大躍進でした。城さんは今回のリオ五輪、どこがポイントだとお考えですか?

: やはり初戦が重要です。強いチームは決勝トーナメントにピークを合わせるので、1次リーグは流しながら戦う。日本が初戦にうまくコンディションを合わせることができれば予選突破のチャンスはあります。前回大会の成績がプレッシャーにならなければよいのですが……。

 

二宮: 不安材料はありますか?

: Jリーグで絶対的なレギュラーとして試合に出ている選手が少ないですよね。これが一番心配です。対戦相手は強豪国ばかり。ヨーロッパで活躍している選手、既に多くの国際経験を積んでいる選手もたくさんいます。試合勘も大切ですから。

 

二宮: 強豪国が同じグループですから守備的な戦いが予想されます。

: 手倉森監督も「カウンターサッカーをやる」と言っていますね。ベガルタ仙台を率いていた時もしっかりとした守備陣形を敷いて現有戦力をうまく使って実績を残しました。世界で本当に勝負していくなら守るしかない。まだ日本はそのレベルです。

 

二宮: 日本で注目している選手は?

: オーバーエイジ枠で選出されたFW興梠慎三(浦和レッズ)です。彼はボールを収めることもできて、相手DFの裏に抜け出すこともできる。興梠の加入は手倉森ジャパンにとって大きいですね。

 

二宮: 興梠はオールラウンダーですね。

: 彼は本当にプレーの幅が広いですね。そういう人材をチョイスしたのかなと感じます。

 

二宮: W杯と違って五輪はバックアップメンバーを除く18人しか招集できないことも関係しているのでしょうね。

: 手倉森監督は様々なシステム、配置を考えているのだと思います。本番でケガ人が発生するリスクもありますからね。どうしてもオールラウンダータイプが多くなります。

 

二宮: 興梠以外のオーバーエイジ枠のDF塩谷司(サンフレッチェ広島)とDF藤春廣輝(ガンバ大阪)はいかがでしょう? A代表での出場機会は少ないのですが、今後に期待できる選手です。A代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督も注目しているはず。

: 塩谷はセンターバック、サイドバックができる。藤春は激しいアップダウンを繰り返して攻守にわたって貢献できます。性格的にも今のチームに溶け込むこともできそうですよね。

 

二宮: スピードが売りのFW浅野拓磨(サンフレッチェ広島)の起用法も鍵を握ります。

: 残り20分くらいでの投入が効果的だと思います。猛暑のブラジルの地で、相手の足が止まる時間帯にフレッシュな浅野が入れば脅威となるはずです。

 

二宮: 浅野のスピードは世界でもトップクラスですからね。キャプテンのMF遠藤航(浦和レッズ)は?

: 引っ張るタイプのキャプテンではないですが、チームのバランスを取ってくれる選手ですよね。

 

二宮: 昔の柱谷哲二のような「オレについてこい!」というタイプのキャプテンはいないですね。

: そういうリーダーの方が選手はついていきやすい。ですが、なかなかこの世代にはいないですね。「オレがチームを引っ張る」というタイプは合わないのかなという気がします(笑)。オーバーエイジの3人を見ても手倉森監督がうまくバランスを取りながら補強していると感じます。

 

二宮: 「謙虚過ぎるくらい謙虚なのがこのチームの特徴」とは手倉森さんの言葉です。

: 先日、シドニー五輪にオーバーエイジで出場したアツ(三浦淳寛)と会ったんです。彼がオーバーエイジとして合流した時、チームにまとまりがなかったらしいんです。試合前日のミーティングでアツがチーム全員に「みんなバラバラだよ。これじゃ勝てねぇよ」と言ったみたいです。この一言がきっかけで全員がいろいろなことを言い合いチームの雰囲気が良くなったという経緯があった。自分の意見を言い合うことも大切ですよね。

 

キャプテン井原の一声

 

160725ワンショット2(加工済み)二宮: 最近の選手は、“内に秘める”タイプが多く、あまり自己主張しませんね。

: 今の五輪メンバーは言い合いをする様子もありませんよね。でもコミュニケーションを取らないと相手が何を求めているかわからない。思い出すのはフランスW杯アジア最終予選で当時監督だった加茂周さんが更迭された時です。

 

二宮: 97年10月のカザフスタン・アルマトイでのアウェー戦後ですね。試合終盤まで1-0でリードをしていました。しかしアディショナルタイムに長身FWのヴィクトル・ズバレフに同点ゴールを許し1-1の痛恨の引き分け。前節ホームで韓国に逆転負けを喫していた日本は1勝1敗2分けと崖っぷちに立たされました。

: 日本サッカー協会も予選期間中に思い切った決断をしましたよね。僕たちも「加茂さんが更迭になって、コーチの岡田武史さんが監督に昇格する」と知らされたのはカザフスタン戦後の夜のミーティングです。監督に指名された岡田さんもそれまで全く聞いてなかったそうです。

 

二宮: 協会も苦渋の決断でした。

: そのタイミングで初めて井原正巳さんが音頭を取って遠征先のホテルのロビーにみんなを集めたんです。その時はみんなでお酒を持ち寄ってミーティングをしました。

 

二宮: お酒を飲みつつ、どんな話し合いをされたのでしょうか。

: 井原さんが「加茂さんが更迭になったのはオレたちのせいだ。試合に出場していない選手もいるけど、今日は酒を飲みながらみんなでいろいろなことを話そう」と切り出しました。僕もフラストレーションが溜まっていましたので、酒の力を借りながら様々なことを言いました。

 

二宮: 当時、城さんはまだ代表ではスタメンではなかった。

: あの時、カズさん(三浦知良)のコンディションはあまり良くなかった。パーセンテージで言えば20パーセントか30パーセントぐらい。それでもカズさんが試合に出ていたので「あの状態のカズさんを使うなら、オレを出せよ」と思っていました。

 

二宮: それを直接カズに伝えたんですか?

: はい。「カズさん、明らかにコンディション悪いですよね? オレが出場すればもっとできますよ」と。

 

二宮: カズの反応は?

: 「確かにそうだと思う。コンディションもあまり良くない。ただ、監督が指名してくれる以上、オレは戦う。オレがダメだったら交代があるはずだから準備をしておいてくれ」と。カズさんも本音で話してくれたので、「カズさんもわかっているんだ。よし、オレたちはいつでも試合に出られるように準備をしよう」と思いました。そのあたりからチームがまとまり始めたんです。

 

二宮: 具体的にどう変わりました?

: 例えばですが、ハーフタイムの時です。それまではベンチの僕たちはロッカールームに先に帰って自分たちの準備をしていたんです。でもあのミーティングの後からは前半を戦った選手の体を扇いであげたり、氷を用意して選手の体をマッサージしてあげたりしました。本当にチームが一体となり、自然とそういった行動ができるようになりました。

 

二宮: 「加茂さんに申し訳ない」という気持ちも選手にはあったんでしょうね。

: 本当にその通りです。でも、あの更迭があったからチームが1つになりました。

 

予想以上だった飲みニケーション効果

 

160725ワンショット3(加工済み)二宮: そのほかにお酒にまつわる思い出はありますか?

: 現役の頃は若手もベテランもお酒を囲んでコミュニケーションを取っていました。グラウンドの上ではサッカーの話はします。ですが、人としてのコミュニケーションがあまり取れないんです。

 

二宮: そこでお酒の力を借りるんですね。

: お酒を飲みながら会話をすると、相手のいろいろなことがわかります。その人の考え方や性格がわかればチームワークも良くなるような気がするんです。

 

二宮: まさしく、お酒は人間関係の潤滑油ですね。

: 相手の素性がわかれば“この人はこういう性格だから、こういうふうにしてあげよう”と気遣いができるようになる。それがチームワークにつながるんですよ。昔は「飲みニケーション」なんて言葉もありましたよね(笑)。サッカー選手にとって飲みニケーションはとても重要です。

 

二宮: 現役時代はよく飲み会を開かれたのですか?

: 僕が横浜FCでキャプテンを務めていた時は1カ月に1回は飲み会を開いていましたよ。僕がまとめ役を引き受けてベテランから若手まで全員参加です。

 

二宮: 全員となればかなりの大所帯ですよね。

: 最初はみんな嫌々だったんです。「集まるのめんどくせぇ」とか(笑)。そこで僕は「いいじゃないか。彼女を連れてきてもいいし、家族を連れてきてもいいし。みんなでグループになろう」と言ったんです。

 

二宮: チームが一体となるきっかけができたわけですね。

: そうなんです。予想以上に輪が広がりました。選手の奥さん、彼女が競技場で会った時にも自然とコミュニケーションを取っていたんです。「今、旦那さんの体調、悪いみたいね。何を食べさせているの?」なんてことも話していましたね。

 

二宮: チームワークはもちろん、選手のコンディションアップにもつながった、と。その成果が表れるかたちで城さんがキャプテンの時に横浜FCはJ2優勝を果たしたんですね。

: そうだと思います。最初は嫌々集まっていたのに、少しずつみんなの心が通い合っていきました。お酒の力は大きいですねぇ。今日も「そばソーダ」で二宮さんと飲みニケーションをはかれました。

 

二宮: 今日は非常に楽しかったです。ありがとうございました。

: こちらこそ、ありがとうございました。また、飲みニケーションをはかりましょう(笑)。

 

(おわり)

 

160712プロフ2(加工済み)<城彰二(じょう・しょうじ)プロフィール>

1975年6月17日、北海道生まれ。強豪・鹿児島実業高校を卒業後、94年にジェフユナイテッド市原に入団。プロ1年目で12得点をあげ、当時のJリーグ新人最多得点記録をつくった。97年にはイランと戦ったフランスW杯アジア最終予選のアジア第3代表決定戦で貴重な同点ゴールを決めるなどW杯初出場に貢献した。翌年のフランスW杯は3試合に出場。00年はスペインに渡り、バリャドリードでプレーした。その後は横浜F・マリノス、ヴィッセル神戸、横浜FCを経て引退。現在はサッカー解説者を務める傍ら、インテル・ミラノの日本サッカースクールである「インテルアカデミージャパン」のスポーツマネジャーを務めるなど多忙を極める。J1通算230試合95得点。国際Aマッチ35試合、7得点。

 

 今回、城さんと楽しんだお酒は本格そば焼酎「雲海」。厳選されたそばと、宮崎最北・五ヶ瀬の豊かな自然が育んだ清冽な水で丁寧に造りあげた深い味わい、すっきりとした甘さと爽やかな香りが特徴の本格そば焼酎です。ソーダで割ることで華やかな甘い香りが際立ちます。


提供/雲海酒造株式会社

 

<対談協力>
鉄板 かわなか
東京都渋谷区宇田川町34-6
TEL:03-3463-5318

ランチ 土曜日をのぞく毎日12時~14時半

ディナー 毎日夕方17時~23時半(日曜日のみ21時)

 

☆プレゼント☆
 城さんの直筆サイン色紙を本格そば焼酎「雲海」(900ml、アルコール度数25度)とともに読者3名様にプレゼント致します。ご希望の方はこちらより、本文の最初に「城彰二さんのサイン希望」と明記の上、下記クイズの答え、住所、氏名、年齢、連絡先(電話番号)、このコーナーへの感想や取り上げて欲しいゲストなどがあれば、お書き添えの上、送信してください。応募者多数の場合は抽選とし、当選発表は発送をもってかえさせていただきます。締切は8月11日(木)までです。たくさんのご応募お待ちしております。なお、ご応募は20歳以上の方に限らせていただきます。

◎クイズ◎

 今回、城彰二さんと楽しんだお酒の名前は?


 お酒は20歳になってから。

 お酒は楽しく適量を。

 飲酒運転は絶対にやめましょう。

 妊娠中や授乳期の飲酒はお控えください。

 

(構成・写真/大木雄貴)


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