10日(日本時間11日)、卓球の女子シングルス3位決定戦は福原愛(ANA)がキム・ソンイ(北朝鮮)に1-4で敗れた。福原は同種目日本人初のメダルはならなかった。中国勢対決となった決勝はロンドン五輪銀メダリストの丁寧が、同金メダリストの李暁霞を4-3で下した。

 

 日本が誇るダブルエースは北朝鮮からの刺客に破られた。

 

 準決勝で連覇を狙う李暁霞にはストレート負けを喫した。ここまでは好調をアピールしていたが、完膚なきまでに叩きつぶされた。それでも日本女子初のシングルスでのメダルがかかっている。3位決定戦に望みをつないだ。

 

 対戦相手のキム・スンイは世界ランキング50位で、8位の福原とは大きな差がある。それを実力差とも言い切れない。苦手とするカットマン。国際大会への出場も少ない北朝鮮ということもあって不気味な存在ではあった。

 

 3日前の3回戦で石川佳純(全農)も苦戦したキム・スンイの粘りとパワーに福原も押されてしまう。7-11、7-11、5-11と3ゲームを落とす苦しい展開。第4ゲームは接戦の末、14-12で奪ったものの、第5ゲームを5-11で取られてメダルの可能性は消えた。

 

「団体戦があるので気持ちを切り替えて頑張りたい」。ロンドン五輪に続く連続メダル、そして“打倒中国”へ――。福原の戦いはまだ終わっていない。

 

(文/杉浦泰介)