11日(日本時間12日)、7人制ラグビー男子3位決定戦で日本は南アフリカに14-54で敗れた。決勝はフィジーがイギリスを43-7で下し、今大会から採用された新種目の初代王者に輝いた。

 

“ブライトンの奇跡”から約1年後、7人制ラグビーでも3勝を挙げる快挙を成し遂げたが、メダルには届かなかった。

 

 準決勝はワールドシリーズランキング1位のフィジーに5-25と完敗だった。目標に掲げていたメダルを懸けて、同2位の南アフリカとの3位決定戦に臨むことになった。

 

 奇しくも15人制でジャイアントキリングを起こした相手との対戦。だが立ち上がりからスピード、パワーで圧倒される。突破を許し、先制トライを奪われてしまう。コンバージョンキックも決められ、開始早々から7点を追いかける展開となった。

 

 さらに1トライ1ゴールで0-14となり、これ以上の点差を広げられると厳しい。ここで日本も反撃に出る。前半残り2分を切ったところで桑水流裕策(コカ・コーラ)のトライが決まり、7-14と迫った。しかし終了間際には大きくラインブレイクをされて、7-21で前半を終えた。

 

 後半開始早々に若きアタッカーが切り裂く。福岡堅樹(パナソニック)が自陣からスピードを生かし、中央突破。福岡からパスを受けた合谷和弘(クボタ)が巧みなステップから一気にぶち抜いて、インゴールど真ん中に飛び込んだ。コンバージョンも自ら決めて14-21と再び1ゴール1トライに差を縮めた。

 

 しかし、反撃もここまでだった。南アフリカのセシル・アフリカにスピードで振り切られる場面が目立ち、2トライを許す。さらにターンオーバーからトライを奪われ、差を広げられた。終わってみれば14-54の大敗を喫した。

 

 日本は表彰台には上がれなかったが、グループリーグの初戦ではニュージーランド、準々決勝ではフランスとラグビー強国を破るなど確かな足跡は残した。7人制ラグビーの可能性とともに4年後の自国開催での期待も広がった。

 

(文/杉浦泰介)