16日、バドミントンの女子ダブルス準決勝が行われ、世界ランキング1位の高橋礼華&松友美佐紀組(日本ユニシス)が同5位の鄭径恩&申昇瓚組(韓国)をストレートで下した。高橋&松友組はメダル獲得が確定。ロンドン五輪同種目での藤井瑞希&垣岩令佳組に続き、日本勢2大会連続の表彰台が決まった。決勝は世界ランキング2位の于洋&唐淵渟組(中国)を破った同6位のカミラ・リターユヒル&クリスティナ・ペデルセン組(デンマーク)と対戦する。

 

 目標とする五輪の金メダルまで、あとひとつ――。真の世界一へ向けて、“タカマツ”ペアが歩みを進めた。

 

 宮城県の聖ウルスラ学院英知高校時代からダブルスを組む“タカマツ”ペア。第1シードの優勝候補の大本命として、初出場の五輪に臨んだ。予選リーグは3戦全勝、オールストレートと危なげなく首位通過を果たす。トーナメントの初戦となった準々決勝はマレーシアのペアに1ゲーム奪われたが、2-1でモノにした。

 

 迎えた準決勝は鄭径恩&申昇瓚組と対戦した。過去の戦績は2勝2敗の五分だが、ここ2戦は連敗している。170センチを超える長身ペア。松友は「強打で攻めてくる。まずはそれをさせない」と対策を練った。

 

 第1ゲームの序盤はリードされたが、慌てなかった。主に松友が前衛で冷静に配球し、試合を組み立てる。高橋は後衛からパワフルかつ正確なショット打ち込んだ。時に逆の型となっても着々と得点を積み重ねて逆転。13-8と5点リードを奪うと、そのリードを保ったまま21-16で先取した。第2ゲームは中盤から抜け出して21-15。ゲームカウント2-0で韓国ペアを退けた。

 

「リベンジできてうれしい」。試合後、高橋と松友は口を揃える。今年5月の国・地域別団体対抗女子ユーバー杯準決勝で第1ダブルスとして敗れていた。チームも準決勝で敗退。世界ランキング1位のペアは悔しい思いをした。「倒れてもいいくらいに動いた」と高橋。攻めの姿勢を貫いたことが勝因だろう。

 

 泣いても笑っても、あと1試合。松友は「今までやってきたことを出し切れるように頑張りたい」と意気込む。結成10年目の集大成は金メダルで飾りたい。決勝戦は過去7勝4敗のデンマークペアが相手だ。受け身にならずに向かっていくことがカギとなる。

 

(文/杉浦泰介)

 

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