16日(日本時間17日)、シンクロナイズドスイミングのデュエット・フリールーティン決勝が行われた。乾由紀子(井村シンクロクラブ)&三井梨沙子(東京シンクロクラブ)組が合計188.0547点で3位に入り、銅メダルを獲得。日本勢2大会ぶりの表彰台に上がった。優勝は194.9910点でナタリア・イーシェンコ&スベトラーナ・ロマシナ組(ロシア)が連覇を達成した。2位には黄雪辰&孫文雁組(中国)が192.3688点で入った。

 

 帰ってきた“シンクロの母”への誕生日プレゼントだ。8月16日は井村雅代ヘッドコーチの66回目の誕生日。乾と三井は日本勢2大会ぶりの銅メダル獲得で、それを祝った。

 

 正式種目に採用された1984年ロサンゼルス五輪から続けていたメダルリレーは、ロンドン五輪で途切れていた。復活をかける日本のシンクロ界は、10年ぶりに井村コーチを呼び戻した。井村コーチは選手の意識改革に着手。身体づくりのために厳しい練習も課して鍛え上げた。その成果は世界選手権で4個のメダルを獲得するなど、早速表れていた。

 

 リオ五輪最初の種目はデュエット。昨年の世界選手権で銅メダル(テクニカルルーティン)を獲得した乾&三井ペアが先陣を切った。日本は予選を3位で通過してフリールーティン決勝に臨んだ。乾と三井は「風神と雷神」をテーマにした力強いパフォーマンスで観客を魅了する。息の合った足技は美しく、雄大だった。格上のロシア、中国に届かなかったが、94.9333点をマークした。暫定3位につけて、残りの国の演技を待った。

 

 日本とライバルとなるのは予選4位のウクライナと5位のスペインだ。特に近年急成長しているウクライナには得点を持ち越すテクニカルルーティンでわずかに上回られていた。フリールーティン決勝でウクライナ、スペインも妖艶な演技で日本を追いかけた。だが、スペインは94.1333点、ウクライナは94.0000点と日本より低い点数に終わった。合計得点でもウクライナが0.9189点、スペインが1.4190点届かない。日本は3位をキープして2大会ぶりの表彰台が決まった。

 

(文/杉浦泰介)

 

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「日本シンクロ、復活への切り札」(2014年7月3日掲載)