リオ五輪、男子陸上は18日(日本時間19日)に男子200m決勝が行われた。1位はウサイン・ボルト(ジャマイカ)で100mに続いて金メダルを獲得した。オリンピック陸上での2種目3連覇は史上初。2位はアンドレ・デグラッセ(カナダ)、3位はクリストフ・ルメートル(フランス)。

 

 ゴールラインを通過したボルトはタイムモニターを確認すると、悔しそうな表情を浮かべた。19秒79。自身がベルリン世界選手権でマークした世界記録19秒19の更新はならなかった。「リオが最後のオリンピック」と強調していたボルトは、この200mで「世界記録更新」にこだわっていた。

 

 6レーンに入ったボルトはスタートから30mまでにレースをリードした。序盤でアウトコースの選手の前に出ると、あとは独走モード。しかし100mのようにクルージングモードに入ることはなかった。ゴールラインまで全力、記録更新を目指したボルトだったがわずかに届かなかった。

 

 ボルト以上に悔しさを見せたのが2位のデグラッセだ。準決勝でボルトと同組に入ると本番モードの走りを見せてプレッシャーをかけた。コーチが授けた揺さぶりだった。しかし決勝でデグラッセは20秒02の2位、タイム差以上の完敗だった。

 

 「レース展開は完璧ではなかったけど勝てたのでよかった。トラックにキスをしたのは、さよならを言うため。これが最後になる」

 レース後のインタビューでもラスト五輪と語ったボルト。8月21日で30歳になる世界王者が去ったあとは、21歳のデグラッセら次世代が主役となる。雨に濡れたリオのトラックで世代交代が進んだ。