リオデジャネイロ五輪は19日(日本時間20日)、男子陸上400mリレー決勝が行われた。1位はジャマイカ、2位に日本が入り銀メダルを獲得した。タイムは37秒60、予選で記録した37秒68のアジア記録をさらに更新した。3位にはカナダ。当初3位フィニッシュのアメリカは失格となった。

 

 「日本は非常に良かった。バトンの渡し方が素晴らしく驚いている」
 前日、男子200mを制したウサイン・ボルト(ジャマイカ)が400mリレー予選で見せた日本のバトンパスを賞賛した。それが、この決勝でも活きた。

 

 第一走者・山縣亮太(セイコーHD)がスタートよく飛び出し、飯塚翔太(ミズノ)へのバトンはやや遠くなったが「絶対に渡す!」(山縣)と焦ることなくつないだ。飯塚は中国とトップを競り合う形で桐生祥秀(東洋大)にバトンを渡し、第三走者・桐生がトップに躍り出た。日本のアンカーはケンブリッジ飛鳥(ドーム)、バトンゾーンの先でジャマイカのアンカー、ボルトに抜かれたが日本は2位に粘った。

 

 「バトンの位置がなんだったとか記憶がない」(飯塚)、「(ボルトに抜かれたとか)無我夢中でよく覚えてないんです」(ケンブリッジ)と、レース後に語ったように、日本は無心でバトンをパスすることに集中した。結果、たどりついた史上最高の銀メダル。

 9秒台を記録する選手がひとりもいない日本だが、アンダーハンドパスは世界と勝負できることを今回も証明した。山縣、ケンブリッジらのタイムがさらに進化する東京では、最高峰も見えてきた。

 

星に願いを 山縣亮太 <前編>「9秒台はゴールではなく通過点」(2013年5月14日)

星に願いを 山縣亮太 <後編>「走りを究める求道者」(2013年5月28日)