8日(日本時間9日)、競泳の男子100メートル背泳ぎS14(知的障がい)決勝は津川拓也(ANAウイングフェローズ・ヴイ王子)が1分3秒42で3位に入った。津川は2度目の出場で初のメダル獲得。リ・イングク(韓国)が59秒82で金メダル、マーク・エバーズ(オランダ)が1分0秒63で銀メダルだった。

 

 予選4位で決勝に進んだ津川のライバルは、同6位の鄧韋楽(香港)だった。鄧の自己ベストは1分2秒台で、1分3秒10の津川よりも好タイムを保持していた。津川が2度目の五輪で初の表彰台を目指すためには、自己ベストに迫るタイムを出さなければならなかった。

 

 好スタートを切った津川は、トップを泳ぐリ・イングクを追いかけるように、序盤は3番手争いにつけた。予選を0.12秒上回る30秒38の5位で前半を折り返す。隣のレーンを泳ぐ3位の鄧とはほぼ同時だった。

 

 その後、鄧とはほぼ横一線で泳ぎ続ける。残り25メートルで、津川がわずかにリードを奪うと、そのまま3位でフィニッシュした。予選よりもタイムを上げてメダルを勝ち取った津川は、ガッツポーズで喜びをあらわにした。

 

 今大会、競泳競技で日本勢初のメダルを手にした津川は、「前半からよく頑張りました」と笑顔でレースを振り返った。