10日(日本時間11日)、リオデジャネイロパラリンピックの視覚障がい柔道男子100キロ超級で正木健人(エイベックス)は3位決定戦で勝利し、2大会連続で表彰台に上がった。男子90キロ級の広瀬悠(伊藤忠丸紅鉄鋼)は1回戦、敗者復活で敗れた。女子57キロ級で銅メダルを獲得した妻・順子に続く夫婦でのメダル獲得はならなかった。

 

 連覇かなわず、悔し涙の銅メダルとなった。ロンドンパラリンピック金メダリストの正木は3位決定戦を終えて畳を降りると、涙を流して試合会場を去っていった。

 

 正木は初戦を大外刈りで開始16秒の一本勝ち。“秒殺”で勝ち上がると、準々決勝は払い腰からの寝技で一本勝ちを収めた。連覇への道は順調に歩んでいるかに思われた。しかし、準決勝でアディルジャン・トレンドバエフ(ウズベキスタン)にまさかの一本負け。開始7秒で大外刈りを食らい、そのまま畳に叩き付けられた。

 

“秒殺”負けで連覇の道は途絶えた。前回王者の意地として、このままでは終われない。ハムゼ・ナドリ(イラン)との3位決定戦に2大会連続のメダルを懸けて臨んだ。相手に2つの指導が入り、試合時間は残り3分を切ろうとしていた時だった。得意の払い腰が鮮やかに決まり、一本勝ち。銅メダルを獲得した。

 

 正木は現在29歳。4年後の東京に、今回の悔し涙を晴らす舞台は待っている。

 

(文/杉浦泰介)