リオデジャネイロパラリンピックの車いすテニス女子シングルス3位決定戦が14日(日本時間15日)に行われ、第2シードの上地結衣(エイベックス)が第6シードのディーデ・デフロート(オランダ)にストレート勝ちを収めた。日本女子同種目でのメダル獲得は初の快挙となった。

 

 上地のスライスショットを返したデフロートの打球はラインを悠にオーバーした。この瞬間、車いすテニスで日本女子初の銅メダルを手中に収めた。

 

 世界ランキング2位の上地にはメダル獲得の期待は高かった。グランドスラムも2014年に2勝を挙げており、ダブルスでは年間グランドスラムも達成している。だが準決勝でロンドンパラリンピック銀メダリストのアニク・ファンクート(オランダ)にフルセットで競り負けた。

 

 3位決定戦では再びオランダ勢との対戦となった。

「コーチに『この4年間だけではなく、今まで支えてきたくださった方々の気持ちも込めてプレーしたら、絶対入るから』と言われたので、その気持ちを大事にプレーしました」

 正確なショットが上地を支えた。80%近いファーストサービスの成功率で主導権を与えなかった。

 

 6-3、6-3とストレートで勝利した。涙を流して喜んだ上地だが、喜びと共に抱いた感情もある。「ファイナリストとしてセンターコートに立ちたかった」。リオでは叶えられなかった目標は4年後、東京で実現する。

 

(文/杉浦泰介)