現地時間18日、リオデジャネイロパラリンピックのウィルチェアーラグビー混合オープン3位決定戦が行われ、日本代表はカナダ代表に52-50で破った。日本は4大会連続4度目の出場で初めてメダルを手にした。決勝は日本を準決勝でやったオーストラリアが延長の末、アメリカに59-58で競り勝ち、パラリンピック連覇を成し遂げた。

 

 戦士たちはコート上で抱き合って、男泣きした。日本はパラリンピックで初のメダル獲得。4位だったロンドンパラリンピックをひとつ上回った。

 

 スウェーデン、フランス、アメリカと戦った予選グループ。世界ランキング3位の日本は、同1位のアメリカには敗れたものの、2勝1敗の2位で通過した。準決勝の相手は同2位で、ロンドンパラリンピック覇者のオーストラリアだった。日本はオーストラリアに6点差で敗れ、3位決定戦に回った。

 

 迎えた3位決定戦は、ロンドンパラリンピック銀メダルのカナダと対戦した。第1ピリオド、日本は池透暢(日興アセットマネジメント)のゴールで先制。点の取り合いで試合は進んだ。4-3とリードした場面。2分18秒、エースの池崎大輔(三菱商事)が敵陣でボールを奪い、そのままゴールへと持っていった。池崎は4分21秒にもボールをカットし、日本の得点に繋げた。第1ピリオドは17-13と4点のリードを広げた。

 

 第2ピリオドは12-12と同点でリードは4点のまま。第3ピリオドで11-13と点差を詰められた。トータルスコアは40-38。わずか2点のリードで残り8分間を戦った。開始早々に失点し、1点差まで詰められたが日本は慌てない。42秒、前線の激しいチェックからプレッシャーをかけ、相手のロングパスを池がスティールした。そこからの攻撃で池崎が得点を決めて、再びリードを2点差に戻した。

 

 その後は2点差、3点差を行き来し、時計の針を進めていく。最後は自陣でボールを持った池崎がキープして試合終了のブザーが鳴った。池崎はボールを打ち上げて歓喜を表した。車いすが倒れるほど感情を爆発させた者もいた。初出場のアテネパラリンピックは全敗で8位。北京パラリンピックが7位で、ロンドンパラリンピックが4位だった。徐々に積み上げていった日本ウィルチェアーラグビーの歴史。ついに表彰台に立つことに成功した。

 

(文/杉浦泰介)