30日、2016明治安田生命J3リーグ第27節の2日目が行われた。13位のFC東京U-23は10位のSC相模原とホームで対戦。FC東京U-23は前半アディショナルタイムに相模原のMF保崎淳に先制点を決められる。後半に入るとFW林容平のハットトリックとDF岡崎慎がセットプレーからヘディングで得点を奪い、4-1で逆転勝ちを収めた。2種登録でベンチ入りしていたU-16日本代表のMF平川玲が後半16分に途中出場。16歳6カ月10日の平川はJ3最年少出場記録を更新した。

 

 平川、4点目を好アシスト(味フィ西)

FC東京U-23 4-1 SC相模原

【得点】

[東] 林容平(64分、78分、90分+2)、岡崎慎(73分)

[相] 保崎淳(45分+2)        

 

 FC東京U-23は前半アディショナルタイムに相模原にゴールを許した。リズムを変えるべく後半16分に中村忠監督が交代カードを切る。ついに平川がJデビューを果たす。弱冠16歳の若きボランチは0-1の局面でピッチに立ち、チームは4得点で逆転勝利を収めた。

 

 彼を送り出した中村忠監督は「平川を真ん中に入れたのは、技術的に良いものを持っているからです。しっかりとボールを受けて攻撃に参加してくれる。ボールがよく動くようになって裏のスペースも使えるようになった」と評価を口にした。

 

 その言葉通り、平川は中央に構え、バランスを取りながらシンプルにボールを左右へ散らした。パスでチームに小気味の良いリズムをもたらす。平川の投入後の19分、33分、38分とFC東京U-23にゴールが生まれた。

 

 ゴールラッシュの締めくくりは後半アディショナルタイムだ。焦り出す相模原を16歳が手玉にとる。平川は自陣でボールを奪うと、左足で前方にロングフィード。相手DF陣の裏を狙ったこのパスに林が反応する。林はトラップでGK川口能活を抜き去り、難なくゴールへ流し込んだ。好アシストを決めた平川は「林さんが良いところにいたので裏に出せばGKと1対1になると思った」と淡々と振り返る。

 

 本人は「緊張した」とデビュー戦の感想を語るが、堂々としたプレーぶりを披露。だが平川は「プレッシャーの速さがユースとは違う。判断が遅れると(相手に)狙われる」と反省した。

 

 これまでJ3の最年少出場記録はセレッソ大阪U‐23FW山田寛人の16歳7カ月15日だった。平川は記録を1カ月ほど塗り替え、勝利にも貢献。それでも本人は出場したことだけに満足していない。「攻守に活躍できて、点に絡む仕事も増やしたい。まずはJ3で1番にならないとJ1で活躍できない。徐々に近づいていきたい」と先を見据えている。FC東京ユースの逸材が大きな一歩を踏み出した。

 

(文/大木雄貴)