11日、プロ野球日本代表(侍ジャパン)のWBC強化試合、対メキシコ第2戦が行われ、前日7対3で敗れた日本が11対4で大勝した。先発・野村祐輔(広島)は3本のホームランを浴びるなどピリっとしない出来だったが、後を受けた中継ぎ、抑え陣が要所を締め、それに打撃陣が応えた格好だ。日本代表は明日、明後日も同じ東京ドームで今度はオランダ代表と戦う。

 

◇第2戦
 DH大谷、打撃と走塁で勝利に貢献(日本1勝1敗、東京ドーム)
日本   11 = 111|020|312
メキシコ  4 = 010|200|100

勝利投手 野村(1勝0敗)
敗戦投手 ロドリゲス(0勝1敗)
本塁打  (日)中村晃1号2ラン
     (メ)アマダー1号ソロ、ペーニャ1号ソロ、ベルドゥーゴ1号ソロ

 

 前日、メキシコを相手に7点を失って敗れた日本はオーダーを大幅に入れ替えてきた。トップバッターに山田哲人(東京ヤクルト)を入れて、2番に菊池涼介(広島)。3番にはDHで大谷翔平(北海道日本ハム)を据えた。クリーンアップの4番・中田翔(北海道日本ハム)、5番・筒香嘉智(横浜DeNA)の前にランナーをいかにためるかを重視した打線だ。また守備でもセカンド菊池とサード山田を両立させる、本番をシミュレートしたオーダーとなった。

 

 第1戦は代打で起用されて三球三振に倒れた大谷は、この日、特打を実施していた。タイミングのとりにくいメキシコ投手陣を想定したバッティング練習を行ったが、その成果は初回に出た。
 2死から打席に入った大谷はメキシコの先発ロドリゲスからレフト線へツーベースを放った。これを「飛んだところがラッキーでした」と中田がライト線にポトリと落ちるツーベースでかえして日本が先制。2回、3回には四球で出たランナーをタイムリーでかえして得点を重ねた日本が有利にゲームを進めた。

 5回には内野安打で出塁した大谷が盗塁を決めて、坂本勇人(巨人)のツーベースで生還。大谷は打撃と走塁で3番先発起用に応え、国際試合でも存在感を見せた。来年3月のWBC本番での活躍も期待したいところだ。

 

 一方で気になるのが後手に回った感のある継投策だ。前日の試合も「先発・武田翔太(福岡ソフトバンク)を引っ張りすぎ、イニング途中でも中継ぎを試すべき」との声があった。この日、先発の野村は合計3本のホームランを浴びたが、4回は先頭打者のペーニャ、2死後にもベルドゥーゴにソロを浴びてリードをふいにしている。イニング途中だが同点2死の場面で中継ぎ投入をテストしてもいい場面だ。


 結果的に増井浩俊(北海道日本ハム)が3回、宮西尚生(北海道日本ハム)、秋吉亮(東京ヤクルト)が1回ずつを投げて勝利をものにした。それでも来年3月に向けて世界一奪還を目指すには、この強化試合で様々なケースを想定した選手起用が必要となる。

(取材・文:SC編集部・西崎)