カープは11月17日から21日までの5日間、湯布院でリハビリキャンプを行う。新井貴浩、田中広輔、菊池涼介、石原慶幸、松山竜平、鈴木誠也、野村祐輔、中崎翔太ら主力19人が参加する。

 

 カープと湯布院の関係は深い。マツダの前身・東洋工業の保養所がこの地にあったことから、リハビリキャンプがスタートした。

 

 同じ温泉地でも、別府と違って湯布院には遊び場所が少ない。のんびり湯に浸かり、1年の疲れをとるには最適の場所である。

 

 選手が成長する上で大切な要素は栄養(食事)、トレーニング、休養の3つだ。この中で、ともすると軽視されがちなのが休養である。

 

 プロ野球選手の契約期間は2月から11月までの10カ月間。オフは、わずか2カ月間しかない。この2カ月間で、世話になった人への挨拶回りや家族サービスをしなければならない。年が明ければ自主トレが始まる。つまり、心身ともにリラックスできる時間は、ほとんどないといっていい。だからこそ、オフシーズンに入る前のリハビリキャンプは、とても重要なのだ。

 

 湯布院には温水プールもある。元カープの川口和久は、これの効能を、こう語っていた。
「水泳は全身運動。血行もよくなる。当時のピッチャーは僕をはじめ、大野豊さん、北別府学さんたち。長く野球をやることができたのは水泳トレーニングが大きかったのではないか、と今になって思います」

 

 優勝した年のオフは何かと忙しい。湯布院でゆっくり頭も体も休め、来季への英気を養ってもらいたい。

 

(このコーナーは二宮清純が第1、3週木曜、書籍編集者・上田哲之さんは第2週木曜を担当します)


◎バックナンバーはこちらから