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(写真:「小さい頃から食べていた」というカップヌードルを手に微笑む大坂)

 25日、日清食品ホールディングスは都内ホテルで会見を開き、女子プロテニスプレーヤー大坂なおみと所属契約締結を発表した。記者会見に出席した大坂は「このたび日清食品のファミリーの一員になれて光栄に思います」と笑顔を見せ、「来年はトップ20を目指す」と意気込んだ。日清食品の安藤宏基代表取締役・CEOは「大坂選手はこれから大変活躍する場面も多いと思いますし、日清食品としてもサポートしていきたいと考えおります」と語った。

 

 日清食品はテニスに限らず、男子プロテニスプレーヤーの錦織圭も所属している。東京2020オリンピック・パラリンピックのオフィシャルスポンサーも務めており、テニスに限らずスポーツ振興に寄与している会社だ。安藤CEOは「錦織選手と大坂選手には東京オリンピックで優勝することを期待しています。若手の選手もどんどんサポートしていきたい」と述べた。

 

 一方の大坂は4年後の自分をこう思い描いている。

「金メダルを獲るためにはトップ5に入っていなければいけないと思いますし、グランドスラムも優勝していないといけなければ、その夢は現実にならない。その時にベストな選手でいたいです」

 

 ハイチ出身アメリカ人の父と日本人の母を持つ大坂は大阪生まれアメリカ育ちだ。2013年にプロ転向。180センチの長身から繰り出すパワフルなサービスとショットを武器にツアー下部大会を転戦してきた。

 

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(写真:来シーズンからは新ユニホームを纏い、世界を転戦する)

 躍進を遂げた今シーズンはグランドスラムの3試合に出場。予選を突破し、本戦に初出場となった全豪オープンを皮切りに、全仏オープン、全米オープンではいずれも3回戦に進出した。9月の東レ・パンパシフィックオープンで準優勝するなど、世界ランキングはうなぎ登り。昨シーズン終了時点での203位から一時は40位にまで急上昇した。

「小さい時は“世界でトップに立ちたい”“No.1になりたい”と夢を持っていました。世界を転戦しながら、なかなかその域にいけないのは現実として分かりました。それでも今は少しずつ高いところを目指していくことで、かたちとして出てきている実感はある」

 

 彼女は自信に加え、勲章も手にした。10月には今シーズンの活躍が評価され、女子プロテニスの最優秀新人賞にあたるWTAニューカマー・オブ・ザ・イヤーを受賞した。これまでマルチナ・ヒンギス(スイス)、セリーナ・ウィリアムズ(アメリカ)、マリア・シャラポア(ロシア)らトップ選手に与えられてきた名誉ある賞だ。

 

 世界が認めるライジングスターは、来シーズンはトップ20入りを目指す。「ハードコートが得意」だという大坂。来シーズンのグランドスラム初戦となる1月の全豪オープンへの期待は高まるばかりだ。「これまでは3回戦で負けてしまっているので、準々決勝を目指して頑張りたい」。サーブの最速は時速200キロを超える19歳の新鋭が、2017年のテニス界にビッグインパクトを残すのか。2カ月後が楽しみである。

 

(文・写真/杉浦泰介)