28日、プロ野球シーズンを締めくくる表彰式典「NPB AWARDS 2016 supported by リポビタンD」が開催された。会場ではすでに発表されていたベストナイン、各タイトルホルダー、特別賞受賞者へトロフィー授与の他、最優秀選手と最優秀新人の発表が行われた。
 最優秀選手はセ・リーグが新井貴浩(広島)、パ・リーグが大谷翔平(北海道日本ハム)。最優秀新人はセ・リーグが高山俊(阪神)、パ・リーグが高梨裕稔(北海道日本ハム)が選ばれた。

 

 今季、25年ぶりのリーグ優勝を果たした広島を主軸として引っ張ったベテランの新井は、プロ入り18年目で初のMVP受賞。39歳のMVP獲得はセ・リーグの最年長記録だ。
「(MVPの受賞を)最初に聞いたときは冗談かと思いました。今シーズンはまさか、まさかの連続でしたが、最後にまさか自分がこんな賞をいただけるとは本当に驚いています。今季、心がけたのは普段どおりのプレーでした。年齢はいってますけど泥だらけになって頑張ろう。それを見て若い選手が何かを感じてくれたらと思っていた。そしてその若い選手を見て今度は自分が引っ張って貰った部分もありました。少々のビハインドはひっくり返すぞという気持ちで戦っていました。最後の最後、日本シリーズで悔しい思いをしたので、来シーズンはより険しい道になりますが、カープらしい一体感のある野球で日本一を目指していきます」

 

 パ・リーグMVPの大谷は10勝、22本塁打と二刀流で日本ハムのリーグ優勝と日本一に貢献した。本人も「一番欲しかった賞」というMVP獲得の感想を笑顔でこう語った。
「このような賞をいただきありがとうございます。シーズン中から指導いただいたスタッフ、ともに戦ったチームメイト、応援してくださったファンのみなさんのおかげです。そして常に自分やチームにプレッシャーを与えてくれてる他球団の選手、ファンの方にも感謝しています。また来シーズン、素晴らしい戦いを他球団とできるのを楽しみにしてます。二刀流に関しては入団当初から監督に迷惑や心配をかけているから、この賞がとれたのは監督のおかげと思っています。今シーズン、いろんな人の期待に応えられたかどうかを自問自答しています。来季は期待に応えられたと胸を張って言えるようなシーズンにしたいと思います」

 

 最優秀新人に選ばれた高山と高梨の喜びの声は以下の通りだ。
「プロ入り1年目で何も分からないところからのスタートでしたが、監督をはじめみなさんにアドバイスをいただき、ケガなくシーズンを通して活躍ができました。新人賞は一度だけの賞なので、来年からはまた違う賞をいただけるように頑張りたい。プロ1年目はシーズンを通して戦える体力がなく好不調の波が激しいシーズンでした。アマとはピッチャーの球などすべてのレベルが全然違いました。甲子園では打ってるときは温かい声援をいただきましたが、打てないときは厳しい声もありました(笑)。ずっと声援いただけるような活躍をして、優勝を目指して戦力になれるように頑張ります」(高山)

 

「大卒3年目で新人感のない僕がもらっていいのかと思っていますが、使ってくれたコーチ、監督。支えてくれたチームメイト、裏方さんの協力があってここに立てていることに感謝しています。信頼される投手になるには何年も安定して成績を残さなきゃいけないので、来年以降、そういう投手になれるように努力したい。入団して1、2年目にファームでしっかりと体を作れたのが今季活躍できた要因だと思います。入団してからずっとチームに貢献したいと思ってたので、優勝した年に貢献できてよかったです」(高梨)

 

◆最優秀選手
◎セ・リーグ
新井貴浩(広島)
132試合 打率.300 19本塁打 101打点

◎パ・リーグ
大谷翔平(北海道日本ハム)
投手成績:21試合 10勝4敗 防御率1.86
打者成績:104試合 打率.322 22本塁打 67打点

 

◆最優秀新人
◎セ・リーグ
高山俊(阪神)
134試合 打率.275 8本塁打 65打点

◎パ・リーグ
高梨裕稔(北海道日本ハム)
37試合 10勝2敗 防御率2.38


◆公式記録表彰
◎セ・リーグ
最優秀防御率
菅野 智之(巨人) 2.01 2回目
最多勝利
野村 祐輔(広島) 16勝 初
最高勝率
野村 祐輔(広島) .842 初
最多セーブ
澤村 拓一(巨人) 37S 初
最優秀中継ぎ
スコット・マシソン(巨人) 49HP 2回目
最多奪三振
菅野 智之(巨人) 189個 初

 

首位打者
坂本 勇人(巨人) .344 初
最多本塁打
筒香 嘉智(横浜DeNA) 44本 初
最多打点
筒香 嘉智(横浜DeNA) 110打点 初
最多安打
菊池 涼介(広島) 181本 初
最高出塁率
坂本 勇人(巨人) .433 初
最多盗塁
山田 哲人(東京ヤクルト) 30個 2回目

 

◎パ・リーグ
最優秀防御率
石川 歩(千葉ロッテ) 2.16 初
最多勝利
和田 毅(福岡ソフトバンク) 15勝 2回目
最高勝率
和田 毅(福岡ソフトバンク) .750 初
最多セーブ
デニス・サファテ(福岡ソフトバンク) 43S 2回目
最優秀中継ぎ
宮西 尚生(北海道日本ハム) 42HP 初
最多奪三振
則本 昂大(東北楽天) 216個 3回目

 

首位打者
角中 勝也(千葉ロッテ) .339 2回目
最多本塁打
レアード(北海道日本ハム) 39本 初
最多打点
中田 翔(北海道日本ハム) 110打点 2回目
最多安打
角中 勝也(千葉ロッテ) 178本 初
最高出塁率
柳田 悠岐(福岡ソフトバンク) .446 2回目
最多盗塁
糸井 嘉男(オリックス) 53個 初
金子 侑司(埼玉西武) 53個 初

 

◆ベストナイン
◎セ・リーグ
投手  野村 祐輔(広島) 初
捕手  石原 慶幸(広島) 初
一塁手 新井 貴浩(広島) 2回目
二塁手 山田 哲人(東京ヤクルト) 3回目
三塁手 村田 修一(巨人) 4回目
遊撃手 坂本 勇人(巨人) 3回目
外野手 鈴木 誠也(広島) 初
   筒香 嘉智 DeNA 2回目
   丸 佳浩(広島) 2回目

 

◎パ・リーグ
投手  大谷 翔平(北海道日本ハム) 2回目
捕手  田村 龍弘(千葉ロッテ) 初
一塁手 中田  翔(北海道日本ハム) 2回目
二塁手 浅村 栄斗(埼玉西武) 初
三塁手 レアード(北海道日本ハム) 初
遊撃手 鈴木 大地(千葉ロッテ) 2回目
外野手 角中 勝也(千葉ロッテ) 2回目
   糸井 嘉男(オリックス) 5回目
   西川 遥輝(北海道日本ハム) 初
指名打者 大谷 翔平(北海道日本ハム) 初