(写真:オールスターに出場する12名の選手、マネージャー、HCが集結。チーム分けも決まった)

(写真:オールスターに出場する12名の選手、マネージャー、HCが集結。チーム分けも決まった)

 5日、男子プロバスケットボールリーグのB.LEAGUEは都内でオールスターゲームの公開ドラフトを開催した。ファン投票選出の12名がB.BLACKとB.WHITEに分けられた。リンク栃木ブレックスのトーマス・ウィスマンHCがPG田臥勇太(リンク栃木)らを擁するB.BLACKを指揮。元NBAプレーヤーのSGディアンテ・ギャレット(アルバルク東京) らが入ったB.WHITEはA東京の伊藤拓摩HCが担当することが決まった。試合は2017年1月15日に東京・代々木第一体育館で行う。

 

 画期的で華やかな開幕戦でスタートしたB.LEAGUE。次なる仕掛けはSNSを通じたファン参加型のオールスターだ。まずは5通りのチーム名から選ばれたのは、B.BLACKとB.WHITEだ。B.LEAGUEのロゴカラーでもある白と黒。これには過半数以上の得票で決定した。次に11月19日から12月4日まで行われていたファン投票で、「PG/SG枠」「SF/PF・C枠」「外国人枠」の各上位4名が選出された。

 

「PG/SG枠」は琉球ゴールデンキングスのPG/SG岸本隆一が田臥を抑えて最多得票。2位に田臥、3位に秋田ノーザンハピネッツのSG田口成浩、4位に千葉ジェッツのPG富樫勇樹が入った。「SF/PF・C枠」は琉球のSF喜多川修平、栃木のSF/PF熊谷尚也、秋田のSF白濱僚祐、名古屋ダイヤモンドドルフィンズのSF/PF張本天傑の順で選ばれた。「外国人枠」はギャレットが全選手最多の1万3713票を集めた。2位以下は琉球のSF/PFアンソニー・マクヘンリー、栃木のPF/Cライアン・ロシター、名古屋のPF/Cジャスティン・バーレルだ。

 

 両チームのHCは11月終了時点の順位で決める方針だったが、1位・川崎ブレイブサンダースの北卓也HCはオールスター前日の「EAST ASIA CLUB CHAMPIONSHIP」にチームが出場することが決まったため、選外となった。これにより、2位・栃木のウィスマンHC、3位・A東京の伊藤HCが繰り上がった。

 

 ファン投票で選ばれた12名をウィスマン、伊藤の両HCによる公開ドラフトで取り合うこととなる。女子マネージャーを務めるタレントのマギー(B.BLACK)と安田美沙子(B.WHITE)が、それぞれのチームに付き、ドラフト指名選手をHCと話し合いで決めた。

 

 B.BLACKは田臥、富樫、喜多川、白濱、ギャレット、ロシターを指名。一方のB.WHITEは田臥、岸本、喜多川、張本、ギャレット、マクヘンリーを希望した。田臥、喜多川、ギャレットの3名が重複。指名が重なった選手は「抽選」「逆指名」「じゃんけん」「大河チェアマン」「スカウト」の5項目のいずれかでチームを決める。

 

(写真:B.BLACKのウィスマンHC。抽選の当たりくじを引き笑みを浮かべる)

(写真:B.BLACKのウィスマンHC。抽選の当たりくじを引き笑みを浮かべる)

 まず日本バスケ界の顔・田臥には「逆指名」がコールされる。しかし、田臥はこれを固辞。変わって「抽選」の形式を取ることとなった。くじを引く前にウィスマンHCは「もし自分の方でプレーしなければ、次の試合、スターターじゃなくなると思う」と“先制口撃”した。伊藤HCは「もし田臥選手が選ばれなかったら、ウチのチームはダブルチームでシュートを打たせないようにします」と包囲網を敷くことを明言。両HCから“ダブルチーム”を仕掛けられ、ファンも詰め掛けていた会場は大いに盛り上がった。

 

 抽選を年功序列で先に譲った伊藤HC。残り物に福はなくウィスマンHCが田臥をゲットした。田臥は「ベンチにならなくて良かったです」と胸をなで下ろす。しかし、ウィスマンHCは「田臥選手がいるチームが最高のチームだと思う。ウチのチームに来てもらって良かったと思いますが、彼自身が逆指名で自分を選ばなかったのはちょっと残念でした」と司令塔を責めて場を和ませた。

 

 喜多川は「逆指名」でB.WHITEを選択。ギャレットは女子マネージャーによる「スカウト」を受けて、自軍のHCが率いるB.WHITE入りを決めた。田臥をくじ引きで掴んだものの、2人を逃したB.BLACKは熊谷とバーレルが加わった。結果的に2人から“逆指名”されたB.WHITEは田臥の代わりに田口が入った。チーム編成に大河正明チェアマンは「本当に豪華な顔ぶれ。外国籍選手もいますが、日本代表みたいだなという選手ばかりで、とっても楽しみです」と喜んだ。

 

(写真:サプライズで80歳の誕生日を祝われた川淵氏。ゴールドのユニホームとボールをプレゼントされた)

(写真:会見後にサプライズで80歳の誕生日を祝われた川淵氏。ゴールドのユニホームとボールをプレゼントされた)

 オールスターに出場する選手は各チーム12名。残りの6名のうち5名はB.LEAGUE推薦により12日に発表され、ラストの1枠は13日から6日間行うSNS投票によって決定する。

 

 記念すべき第1回のオールスター。選ばれた選手たちも「楽しみ」と口を揃える。いろいろと試行錯誤な部分も多いが、チャレンジングな姿勢は必要なこと。今回のオールスターについては大河チェアマンが「一番の狙いは“こんなにすごい選手がいるんだ”というプロモーションになるといい」と語るように話題性を呼ぶことが大事だ。男子バスケットボールリーグ統合に尽力した川淵三郎氏は「自分たちをどう売り込んでいくか。それだけの能力はある。他の競技に比べてあまりにも認知度が低い。みんな自信を持って、プライドを持って世間にどんどんアピールしていって欲しいと思います」と選手たちにエールを送った。

 

 バスケのオールスターを冬の祭典として定着させるためには、試合前後の部分でもエンターテインメント性が求められる。

 

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(文・写真/杉浦泰介)