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(写真:選手たちを両脇に従え、スローガンの「RISE AS ONE」のボードを持つティアティアHC<中央>)

 スーパーラグビー(SR)のヒト・コミュニケーションズ サンウルブズは12日、2017シーズンのスコッド36名を発表した。昨シーズンに続きHO堀江翔太(パナソニックワイルドナイツ)、LO大野均(東芝ブレイブルーパス)、SO立川理道(クボタスピアーズ)らを選出。都内ホテルで行われた記者会見では、ユニホームも合わせて発表された。サンウルブズの開幕戦は、2月25日に東京・秩父宮ラグビー場で行われ、昨シーズン王者のハリケーンズ(ニュージーランド)と対戦する。レギュラーシーズンは7月までに計15試合を戦う。

 

 SR参戦2シーズン目に突入するサンウルブズ。昨シーズンは1勝1分け13敗とワールドクラスの壁に苦しんだ。それでもサンウルブズを運営するジャパンエスアールの上野裕一業務執行理事(CEO)は「選手、スタッフには極めて高い評価をしている」と語る。昨シーズンはラグビーW杯イングランド大会からトップリーグ、日本選手権と選手によってはほぼ休みなく走り抜けた。「想像以上にタフになってくれた」と上野CEO。積み上げたものが自信になっている。

 

 新ヘッドコーチ(HC)には昨シーズン、アシスタントコーチを務めたフィロ・ティアティアが昇格する。「エキサイティングな気持ち」とティアティアHC。今回選んだ36名中21名がSR経験者だ。昨シーズンと比べると15名が増えている。中でもニュージーランドの強豪ハイランダーズでプレーしてきたSH田中史朗(パナソニックワイルドナイツ)の加入は心強い。SRのキャップ数45は日本人最多。日本代表(ジャパン)の主力でも田中がチームに与えるものは大きいだろう。FB松島幸太朗(サントリーサンゴリアス)は昨シーズン、オーストラリアのレベルズで5キャップを刻んだ。指揮官も「彼が我々と共にプレーしてくれるのが待ちきれません」と高く評価するトライゲッターが今シーズンはサンウルブズで敵チームに牙をむく。

 

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(写真:ティアティアHCはトヨタ自動車ヴェルブリッツでのプレー経験、ジャパンのスポットコーチを務めるなど日本ラグビーとの繋がりは深い)

 ティアティアHCはチームのスローガン『RISE AS ONE』を発表した。まずRISEの部分を「SRはタフなコンペティション。まだ1年の経験しかないが、挑んでいくことで高めていく。スタンダードをRISE。パフォーマンスをRISE。組織としてたゆまず成長していく」と説明。ONEについては「ジャパンのスローガンである『ONE TEAM』とよく似ている。ひとつのチームとして一体なって高めていきたい」とコメントした。

 

 昨シーズンはチームのキャプテンを務めた堀江は、サンウルブズへの“残留”を決めた1人だ。SRの別のクラブからオファーがあったことを認めながら、「2019年に向けて結果を残したいということと、去年キャプテンをやらさせてもらった経験を2017年のシーズンに伝えられたらいいかなと思った」と理由を述べた。サンウルブズはジャパンの強化に繋げるための存在でもある。指揮官が「ひとつひとつの戦いが成長するためのチャンス」と口にするように、世界のラグビーを肌で感じられる絶好の機会だ。3年後のW杯に向けて、ひとつひとつの経験を肥やしにする。


【サンウルブズメンバー】
FW(20名)

稲垣啓太、三上正貴、山本幸輝、木津武士、日野剛志、堀江翔太、浅原拓真、伊藤平一郎、具智元、大野均、梶川喬介、真壁伸弥、リアキ・モリ、ヴィリー・ブリッツ、エドワード・カーク、ヘル・ウヴェ、徳永洋尭、松橋周平、マルジーン・イラウア、三村雄飛丸

BK(16名)

内田啓介、小川高廣、田中史朗、茂野海人、矢富勇毅、立川理道、田村煕、田村優、ヘイデン・クリップス、後藤輝也、福岡堅樹、ティモシー・ラファエレ、デレック・カーペンター、笹倉康誉、松島幸太朗、リアン・フィルヨーン

【2017年スケジュール】
・2月25日 ハリケーンズ 13:15~ 秩父宮ラグビー場
・3月4日 キングズ 18:55~ シンガポール国立競技場
・3月11日 チーターズ 17:15~ フリーステート・スタジアム
・3月17日 ブルズ 19:00~ ロフタス・ヴァースフェルド
・3月25日 ストーマーズ 18:55~ シンガポール国立競技場
・4月8日 ブルズ 14:15~ 秩父宮ラグビー場
・4月14日 クルセイダーズ 19:35~ AMIスタジアム
・4月22日 ハイランダーズ 17:15~ ラグビーパーク
・4月29日 チーフス 19:35~ FMGスタジアム
・5月6日 ジャガーズ 18:40~ ベレス・サルスフィエルド
・5月20日 シャークス 19:55~ シンガポール国立競技場
・5月27日 チーターズ 14:15~ 秩父宮ラグビー場
・7月1日 ライオンズ 17:15~ エミレーツエアライン・パーク
・7月8日 ストーマーズ 19:30~ DHLニューランズ
・7月15日 ブルーズ 12:05~ 秩父宮ラグビー場

(文・写真/杉浦泰介)