18日、プロ野球セ・リーグのクライマックスシリーズファイナルステージ第2戦が行なわれ、中日の先発・伊藤準規が8回途中まで4安打2失点の好投を披露。打線も効率よく得点を重ね、初戦同様に盤石の投手リレーで逃げ切った。2試合連続で若手投手の好投が光り、接戦を制した中日は通算成績を2勝1敗とし、日本シリーズ進出に向けて一歩リードした。

◇ファイナルステージ第2戦
 ホールトン、4回途中3失点KOの大誤算 (中日2勝1敗、東京ドーム)
中日   5 = 020101001
巨人   2 = 100000010
勝利投手 伊藤(1勝0敗)
敗戦投手 ホールトン(0勝1敗)
セーブ   山井(2S)
本塁打  (中)大島1号ソロ
 前日の初戦、2年連続最多勝を獲得したエースの内海哲也が先発しての痛い敗戦を喫した巨人は2戦目の先発に、チームでは内海に次ぐ12勝を挙げたデニス・ホールトンを起用した。しかし、この試合のホールトンにはツキがなかった。初回、いきなり珍プレーが起こる。先頭の大島洋平の打球はピッチャーゴロとなったが、この打球がホールトンのグラブに挟まってしまう。ホールトンは慌ててグラブごとファーストに投げ込んだが、亀井義行はグラブを抱え込んだだけでボールを捕球したとはみなされず、大島のヒットとなった。その大島は1死後、盗塁を成功させ、二塁に進む。井端弘和は四球で出塁し、1死一、二塁となった。しかし、ここはホールトンが意地を見せる。和田一浩、トニ・ブランコを連続三振に切って取り、ピンチを凌ぎ切った。

 その裏、巨人は21歳4年目の伊藤準規の立ち上がりを攻めた。長野久義が内角高めのストレートを詰まりながらもセンターへ運び、ヒットとすると、1死後、坂本勇人もストレートをうまく弾き返し、ライト線を抜ける二塁打を放った。クッションボールの処理にもたつき、ライトからの送球が遅れる中、長野は一気に三塁をまわり、先制のホームを踏んだ。なおも1死二塁と追加点のチャンスだったが、阿部慎之助、高橋由伸は2者連続三振に倒れた。

 2回表、すぐさま中日が反撃する。平田良介、森野将彦に連打が出ると、谷繁元信は粘った末に四球を選び、無死満塁とした。続く伊藤はボテボテのゴロとなるも、打球が伊藤の足元に当たったと思いファウルと判断したホールトンの勘違いもあり、これが内野安打となって中日に1点が入った。なおも1死満塁、続く大島は鋭い打球を一、二塁間に飛ばすも、これを藤村大介が好捕。しかし、この間に三塁ランナーが返り、中日が勝ち越した。ホールトンは3回表はランナーを出しながら無失点に切り抜けるも、3回を終えた時点で70球と早くも疲労の色を見せ始めていた。

 一方の伊藤は徐々に調子を上げていった。ベテラン谷繁の巧みなリードで緩い変化球と高めの直球をうまく織り交ぜ、2、3回を3者凡退に切ってとる完璧なピッチングで巨人打線を封じた。その伊藤が4回表、1死からヒットで出塁し、ホールトンの暴投で二塁へ。2死後、荒木雅博にタイムリーが出て、伊藤自らが3点目のホームを踏み、ホールトンを早くもマウンドから引きずり降ろした。

 巨人は2番手に2年目の小山雄輝をマウンドに上げた。小山は井端に四球を与えたものの、和田を打ち取り、追加点を許さなかった。5回表も無失点に抑えた小山だったが、6回表、大島に手痛い一発を浴びる。さらにヒットと2つの四球で1死満塁のピンチを招いた小山だったが、ブランコ、平田を連続三振に切って取り、なんとか1点に抑えた。

 ペナントレースで見せた勢いを見せることのできない巨人打線。その最大の要因となっていた阿部が7回裏、ようやく今シリーズ初安打を放ち、東京ドームが歓声に包まれた。ところが、この試合5番に起用された高橋が4−6−3の併殺打に打ち取られる。前日は4打数2安打1打点をマークした高橋だったが、5番に起用されたこの試合はここまで3打数無安打2三振と、伊藤の前に快音を響かせることができない。

 7回まで伊藤に3安打に抑えられていた巨人打線は8回裏、1死から亀井が内野安打で出塁すると、松本哲也は四球を選び、一、二塁とした。代打・古城茂幸はピッチャーゴロに倒れるも、その間に亀井が三塁へ。2死一、三塁となったところで、中日は好投を続けてきた伊藤を下げ、浅尾拓也にスイッチした。その浅尾のストレートを長野がライトに運び、巨人が1点を返した。

 2点差とした巨人だったが、9回表、クローザー西村健太朗が1死後に2本のヒットと四球で1死満塁とピンチを招くと、谷繁に犠牲フライを打たれ、再び3点のビハインドを負った。その裏、マウンドに上がったのは前日同様、山井大介。ファーストステージから5連投の山井は、先頭の坂本にヒットを許す。しかし、阿部を全球変化球で三球三振に仕留めると、高橋、村田をきっちりと抑え、チームを勝利に導いた。これで通算成績は2勝1敗となり、明日の試合に勝てば中日が日本シリーズに王手をかける。