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(写真:表彰式に臨んだ伊予銀行の選手・スタッフ)

 伊予銀行テニス部は第31回日本リーグ男子決勝トーナメントで5位に入った。昨年に続いての5位入賞。3年連続決勝トーナメント進出を果たし、着実にチームの地力はついてきた。個人でもダブルスで全勝する活躍を見せた飯野翔太が、2年連続で優秀選手賞を獲得するなど成長を見せている。

 

 

 2月10日から始まった日本リーグ決勝トーナメント。ブルーブロック2位・伊予銀行の初戦の相手は、レッドブロック3位・エキスパートシズオカだ。リーグ戦7試合で1敗の伊予銀行に対し、エキスパートシズオカは2敗。とはいえ、昨年度を含め2度の優勝を果たしている強豪である。

 

 伊予銀行はシングルスNo.1片山翔、No.2佐野紘一、ダブルスは飯野翔太&中島啓組。シーズン中からほぼ固定していた“ベストメンバー”で臨んだ。

 

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(写真:決勝トーナメントでは未勝利だったが、持ち前の粘りは随所に見せた佐野)

 一番手の佐野は長尾克己にストレート負けを喫した。後がなくなった伊予銀行はエース片山の登場だ。対戦を予想していたルー・イェンスン(台湾)ではなく、ジェーソン・ジュング(台湾)だった。だがジェーソンも十分な実力者である。片山は第1セットをタイブレークで落とすと、2ゲーム目も3-6で失った。

 

 飯野&佐野組が一矢を報いたものの、2年ぶりの準決勝進出を逃した。2日目に行われる5・7位決定戦に進み、順位を確定させてシーズンを終えることとなった。5位決定戦の相手はファーストステージでも対戦したブルーブロック4位・トップランだ。出場メンバーも昨年12月4日と全く同じ組み合わせとなった。

 

 前回の対戦では3-0で勝っているが、シングルスNo.2とダブルスは接戦だった。決勝トーナメント初戦でもノア・インドアステージに敗れたものの、レッドブロック1位を追いつめた。伊予銀行の秀島達哉監督は胸の内を明かす。

「正直、やりにくかったですね。シングルスNo.1の田代悠雅選手が吉備雄也選手に勝って、ノアに勝ちかけていたので、僕らにとっても心理的プレッシャーがありました」

 

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(写真:ベンチやスタンドで声を出して選手を鼓舞する秀島監督)

 ここで勝って終わるのと、負けて終わるのとでは違う。伊予銀行はミーティングで“準備していたことをやって勝ち切ろう”と確認し合った。秀島監督は言う。「去年は準備不足な面もあって、あたふたした部分もありました。だから今回は対戦相手も分析して丁寧に準備してきた。だからバタバタもしませんでした」

 

 しかし、トップバッターのシングルスNo.2佐野は大島立暉を相手にフルセットの末、星を落としてしまう。東京体育館のサーフェス(コート面の材質)は前回の対戦時の兵庫・ブルボンビーンズドームとは違った。ボールが弾まず、手元に食い込んでくる。粘りが持ち味の佐野も返球し切れない場面が目立った。第1セットは1-6。完敗だった。それでも第2セットを取り返したが、セットカウント1-2で敗れた。

 

 シングルスNo.2を落としたため、2年連続の5位を勝ち取るためにはここから1試合も落とせない。ここで本領を発揮したのがエースだった。片山は前日に吉備を破って勢いに乗っている田代を6-2、6-1の完勝で退けた。相手へ傾きかけた流れを完全に引き寄せた。

 

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(写真:先輩の飯野<左>が精神的に波のある中島をリードする)

 勝敗を分けるダブルス決戦は、早稲田大学時代からの先輩後輩である飯野&中島組が息の合った連携で、トップランを寄せ付けなかった。6-2、6-3のストレート勝ち。秀島監督が「前日は練習終わった後、20時ぐらいまでサーブの修正をしていました。サーブに関しては“これ以上触れないな”というところまで精度を高めていたので心配はしていませんでした」と語っていたサービスは2人とも切れており、相手のブレイクを許さずキープし続けていた。

 

 終わってみれば去年と同じ5位。秀島監督は今シーズンをこう総括した。

「みんなよくやってくれた。腹を割って話し合って、課題をできる限りクリアしていくためのコミュニケーションを部の中で取れている。5位という結果には満足していませんが、“ベストは尽くせた”と胸を張って言えます」

 

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(写真:飯野<左>は9戦、中島<右>は8戦といずれもダブルスで負けなしだった)

 指揮官にシーズンのMVPを訊ねると、飯野&中島のダブルスを挙げる。

「責任感を持って、最後まで勝負にこだわってやってくれた。飯野は2年連続全勝。特に決勝トーナメントはタフな戦いになる中でも、そこを勝ち切ってくれた。中島もリーグ戦を通して成長してくれた。テニスも大胆になって、細かいところのミスも少なくなりました。とてもいい選手に育ちつつあると思います」

 

 飯野は昨年度の優秀選手、中島は一昨年の最優秀新人選手。だが中島は昨季、腰のケガで1年を棒に振った。復帰は昨年3月からで休んでいる間はラケットを持つこともなかったという。それでもテニスは辞めようとは思わなかった。「新人賞を取って、“これから頑張っていこう”という中で、ケガしてしまった。やりきれない部分がありました」と中島。3学年違いの2人は学生時代にダブルスを組んだことはない。入行後、組んでみるとどこかウマが合った。

 

「シングルスよりもダブルスの方が好き」と語る飯野が振り返る。

「今シーズンを通して組んでみて、全日本選手権でもベスト16に入れました。去年よりは今年が良くて、息も合う。今日も納得のいく試合ができた。年間を通していいダブルスが組めたと思います」

 テクニックのある中島が作って、パワーのある飯野が決める。得意の型ができつつある。今シーズンを見る限りは、ダブルスが伊予銀行の強みとなっていると言ってもいいだろう。

 

 今季限りでチームを離れるプレーヤーはいない。加入予定もないため、新シーズンは現有戦力で臨む。今年はいよいよ「愛顔(えがお)つなぐ えひめ国体」が開催される。伊予銀行テニス部としては国体でも日本リーグでも、より結果を求められるシーズンになる。秀島監督は「地元でやる国体があるということは、アピールする場でもあります。やるからにはいい準備をして愛媛を盛り上げたいですね」と意気込む。

 

 4月15日からは国民体育大会愛媛県予選を兼ねた全日本テニス選手権大会愛媛県予選が始まる。2つしかない代表枠を、伊予銀行勢が中心となって争うこととなるだろう。秋を笑顔で迎えるための戦いは既にスタートしている。

 

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