四国アイランドリーグplusは4月1日の開幕に向けて、徐々に実戦モードに入っています。

 

 私が監督を務める香川オリーブガイナーズも2月26日にHonda硬式野球部とオープン戦を行いました。結果は5対11で完敗……。こちらの先発・原田宥希は3回6失点。フォアボールで歩かせてから打たれるという典型的な失点パターンでしたが、さすが社会人のトップチームです。隙を見せたら一気にやられてしまいますね。


 今のチーム状況で気になるのはキャッチャーの三好一生が手首を負傷し、外野手の中村崇友紀も肉離れ。戦力として考えていた選手にケガが相次いでいることで、ちょっと計算が狂っています。ケガをした選手の代役出現を期待しながら、早く復帰してくれることを願っています。選手層が薄い独立リーグでは1人のケガでチーム力がガラリと変わるのが怖いですよね。

 

 今季、アイランドリーグは愛媛マンダリンパイレーツが河原純一、徳島インディゴソックスが養父鐵と、新監督が率いることになりました。僕のように10年以上やっていてベテランと呼ばれる人間としては、新監督がどういう野球をするのか楽しみです。独立リーグの監督はそれぞれ理想の野球を持ちながらも、それがなかなかうまくいかないことに悩むものです。理想と現実の中でもがき苦しむというのでしょうか、プロといっても独立リーグの選手はNPB1軍なら簡単にできるプレーも、うまくできないこともある。そこでどれだけ我慢できるか、そしてどう選手を導くか。その間に選手たちに逞しさが出てくるのですが、それを待つのが大変ですよ。

 

 ただ新人監督とはいっても河原監督はアイランドリーグの経験もあるし、養父監督は海外リーグで指導した経歴を持っています。それにどちらのチームにもベテラン選手がいますから、監督はどっしりと構えていればベテランがチームをまとめてくれますよ。うちもキャプテンの小牧泰士がベンチの意図をくみ取ってチームを引っ張ってくれると信じてます。

 

 野球というスポーツはベンチが指示を出しても、その通りにことが運ぶことは少ない。失敗の方が多いくらいだから、そこでどう切り替えられるかも大事ですね。だから僕が常に思っているのは、サインを出すのは僕だけど、選手には自分の頭で「サインが出た意味」や「求められる結果」を判断して動いてほしいですね。監督はプランニングと決断はするけど、グラウンドの選手が判断してプレーしてくれるのが理想です。

 

巨人育成・松澤に期待

 今シーズン、リーグ最大の話題はマニー・ラミレスの高知ファイティングドッグス入団ですね。メジャーリーグで通算555本塁打、歳をとったとはいっても超一流選手です。選手もいろいろと刺激を受けるんじゃないですかね。

 

 特にピッチャーは対戦して抑えれば自信になるし、世界の一線級だったバッターとの対戦が無駄になるはずがありません。思いきってぶつかってもらいたいものです。

 アイランドリーグはファンの方あってのリーグです。選手はラミレスが来たことで例年以上に注目されてることを意識して、その中でいかに夢に近づいていくか、頑張ってほしいですね。

 

 プロ野球では昨年秋のドラフト会議で巨人に育成指名された香川OBの松澤裕介も頑張っています。内田順三巡回打撃コーチの目にとまったようで、いろいろと鍛えられていると聞きます。外野だけでなく一塁を守ってますが、とにかく目立って結果を残して、それで試合に出るようになってもらいたいです。

 

 彼は体が強いのでいくらしごかれても大丈夫でしょう。育成指名と聞くとまだまだ時間がありそうですが、松澤も7月には25歳、そんなにのんびりしていられる年齢じゃありません。早く支配下登録されて、本当の「プロ」になれるように見守りたいです。

 

 今シーズンの香川は若い選手が多く、エースの原田を中心にあとは新人ピッチャーがどれだけ出てくるかが勝負の分かれ目でしょうね。まだ手探りの状態ですが、ゲームを重ねていく中で成長する姿をファンの人に見せたいと思っています。監督の僕も選手の成長を楽しみにしているので、開幕したらぜひ球場に足を運んでください。


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