第4回WBCは22日(日本時間・以下同)、ドジャースタジアムにおいて決勝トーナメント準決勝第2試合、日本対アメリカが行われた。試合は2対1でアメリカが勝利し、23日、プエルトリコと決勝を戦う。

 

◇WBC2017 準決勝
 接戦制し、WBC初の決勝進出 (日本6勝1敗 ドジャースタジアム)
アメリカ 2 = 000|100|010
 日 本 1 = 000|001|000

勝利投手 ダイソン(1勝0敗)
敗戦投手 千賀(1勝1敗)
セーブ グレガーソン(3S)
本塁打 (日)菊池1号ソロ

 

 試合前から雨が降り続いたドジャースタジアム、先発は日本が菅野智之(巨人)、アメリカはタナー・ロアークがマウンドに上がった。


 後攻の日本は1回表、中田翔(北海道日本ハム)が好守備で菅野の立ち上がりを助けた。1死から2番アダム・ジョーンズのファウルフライを好捕。菅野は続く3番クリスチャン・イエリチを三振にとり、3人に11球と上々のスタートを見せた。

 

 その裏、先頭バッターの山田哲人(東京ヤクルト)がデッドボールで出塁。菊池涼介(広島)がバントで送り、続く青木宣親(アストロズ)の内野ゴロの間に山田が三進。先制点のチャンスに4番の筒香嘉智(横浜DeNA)がレフトフライに倒れて、両チームともに無得点で初回を終えた。

 

 WBC予選ラウンドではホームランだけに適用されていたビデオ判定が、決勝トーナメントではメジャーリーグ同様にすべてのプレーに適用となった。さらにチャレンジによる回数制限がないため、序盤、微妙なプレーを巡ってビデオ判定の応酬となった。

 

 まず二回表、1死からエリック・ホスマーの三塁ゴロを松田宣浩(福岡ソフトバンク)が軽快にさばいて一塁送球。審判はアウトの判定もアメリカの抗議でビデオ判定が実施された。このプレーの判定はそのままだったが、今度は3回表の無死一塁。ジャンカルロ・スタントンの三遊間の強烈な打球を松田が好捕。二塁へ送球して菊池が一塁へ転送、5-4-3の併殺が完成した。しかしアメリカが菊池の足がベースを離れていたと抗議。ビデオ判定により一転、二塁がセーフとなった。
 どちらも失点にはつながらなかったが、繰り返されるリプレー検証に日本は守備でリズムを作れない。それでも先発の菅野は3回までアメリカを零封した。

 

 試合が動いたのは4回表。1死で打席に入ったイエリチの打球はセカンド方向に飛んだ。菊池が正面に入ったが強烈な打球はグラブをかすめて外野まで転がる。名手のまさかのエラーで1死二塁と日本はピンチを招いた。菅野は4番ノーラン・アレナドを三振に切ったものの、5番エリック・ホスマーに四球。2死一、二塁でアンドリュー・マカチェンがレフト前に弾き返して、アメリカが先制した。

 

 日本はその裏、筒香がフォアボールで出塁したものの得点にはつなげられず。5回裏には先頭打者、松田が一塁へのゴロで出塁したが、またもビデオ判定でアウトに覆った。
 このいやなムードを断ち切ったのが菊池だった。山田が三振に倒れた後、打席に入った菊池は2番手ネイト・ジョーンズのシュートを狙い打ち。これがライトスタンドぎりぎりに飛び込む同点ホームラン、日本が試合を振り出しに戻した。

 

 7回からマウンドには2番手・千賀滉大(福岡ソフトバンク)が上がった。千賀は5番から始まるアメリカの攻撃を3者三振で抑え、続く8回も先頭打者スタントンを三振に切って1死。しかしここでブランドン・クロフォードにライト前ヒットを許し、打順は1番に返ってイアン・キンズラー。千賀の高めのフォークを叩いた打球は左中間フェンスを直撃するツーベースとなり1死二、三塁とピンチを迎えた。

 続く2番アダム・ジョーンズの打球は三塁前に転がる弱い当たり。サードの松田がダッシュして本塁送球を狙ったがファンブルしてホームには投げられず、アメリカが勝ち越しに成功した。

 

 8回裏、日本は好調の小林誠司(巨人)に代打・内川聖一(福岡ソフトバンク)を送る。内川がライト前ヒットで出塁し、代走は田中広輔(広島)。2死から青木がフォアボールを選び、2死一、二塁で打席には4番の筒香。ここでアメリカは3番手に右のサイドスロー、パット・ニシェックをマウンドへ送った。

 1ボール2ストライクからの4球目、インコースのチェンジアップを振り抜いた筒香の打球はライトへ一直線で飛んでいった。逆転ホームランか、と思われたがわずかに芯を外れた打球は失速。ライトフライに終わった。

 

 9回裏、最後は松田が三振に倒れてゲームセット。日本は2大会連続で準決勝敗退となった。勝ったアメリカは先発ロアークから計7人の投手をつぎ込む継投で初のWBC決勝進出を果たしている。