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(写真:STH JAPANとして力を合わせ19年大会の成功を目指す)

 29日、株式会社ジェイティービー(JTB)はイギリスのSports Travel & Hospitality Group(STH)が日本に設立したスポーツホスピタリティ専門会社STH JAPAN株式会社の株式49%を引き受け、共同で日本国内におけるスポーツホスピタリティ事業に取り組むことを発表した。JTBは2019年ラグビーワールドカップに向けて、スポーツホスピタリティ事業を国内に定着させることを目標に掲げている。都内で行われた会見に出席したJTB髙橋広行社長は「日本各地において温かい“おもてなし”の心と共に人々と触れ合っていただける機会は、翌2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて最高の架け橋となると考えております」と語った。JTBは2020年東京オリンピック・パラリンピック以降も視野に新たな市場開拓を目指す。

 

 JTBのブランドスローガンである『感動のそばに、いつも。』を体現するような新事業と言っていいだろう。2年後に控えるラグビーW杯は、アジア初の開催だ。日本国内の全12都市を舞台に44日間48試合が行われる。のべ45万人の世界中のラグビーファン、関係者の訪日が予想されている。JTBの髙橋社長は「世界中のラグビーファンが日本のラグビーファンと共に世界最高レベルの試合を楽しみ、試合の合間には日本全国を周遊することで様々な交流が生まれるものと期待をしております」と述べた。

 

 そのためのSTHとの資本・業務提携である。STHはラグビーW杯を主催運営するラグビーワールドカップリミテッド社より、各大会におけるオフィシャルトラベルエージェントを指名する権利、スポーツホスピタリティ事業を行う権利を委託されているイギリスの会社だ。2007年フランス大会から2015年イングランド大会までの3大会に渡る実績を残している。ラグビー以外でも2012年ロンドンオリンピック、ウィンブルドンテニス、今年の夏開催される世界陸上競技選手権ロンドン大会など世界的ビッグイベントにおいて、スポーツホスピタリティ事業を手掛けており、この道のプロパーとも言える存在だ。

 

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(写真:「非常に魅力的なマーケットに成長する」と自信を見せるJTB髙橋社長)

 JTBの髙橋社長は「このたびパートナーの縁を得られたことは、今大会を成功に導くうえで極めて大きな意義があると認識しております」と胸を張る。STH JAPANのクリス・ジョン会長は「JTBとは同じビジョンを共有していると確信しています。4年間は日本に何度も参りまして、強力な関係を築くことができた。最高レベルのホスピタリティを日本に届けたい」と意気込んだ。

 

 提携を受け、JTBがSTHと展開する事業は3つ。オフィシャルトラベルエージェンシー、ホテルバンクパートナー、スポーツホスピタリティパートナーである。JTBはオフィシャルトラベルエージェントしての指名を受け、日本国内の観戦チケットツアーの企画、主催を独占して行う。2つ目は世界各国・地域のオフィシャルトラベルエージェントからの宿泊や優先的に引き受けるホテルバンク事業を受託することとなった。そして3つ目がスポーツの成長産業化の切り札のひとつとして期待されるスポーツホスピタリティ事業への取り組みだ。

 

 スポーツホスピタリティとは、観戦チケットに食事やエンターテインメントなどのサービスを組み合わせる高級志向の商品である。主に企業向けのもので、欧米においては不可欠な観戦スタイルとして定着をしているという。ジョン会長によれば、「特に西欧では非常に競争の激しい産業」で、JTBの青木尚二スポーツビジネス推進室長は「日本で一般的ではありませんが、市場性は無限にある」と、とらえている。

 

 2019年ラグビーW杯に始まり、2020年東京オリンピック・パラリンピック、2021年には関西でワールドマスターズゲームズスが開催される。4年ごとのビッグスポーツイベントが日本で開催され、スポーツビジネスの観点から言えば、大きなチャンスが巡ってきているのだ。「日本で1年ごとに開催されること自体、奇跡と言ってもいい。それだけのチャンスが日本にはあると認識をしていかなければいけない。日本の方々及び、アジアの方々にスポーツホスピタリティの魅力を体感していただき、2021年以降の事業の柱にしたいと考えています」と青木室長。それぞれの感動のそばに、JTBは関わっていくつもりだ。

 

(文・写真/杉浦泰介)