いわて国体表彰式

(写真:昨年のいわて国体・天皇杯7位の結果を受けて、愛媛県選手団は地元開催の国体で必勝を期す)

 平成29年度が始まり、いよいよえひめ国体の開幕まで約5カ月を切った。9月から10月にかけて県内各地で行われる競技で愛媛県選手団の活躍を期待したい。

 

 大亀スポーツ振興財団(以下同財団)は、先日、新年度の事業計画書を発表した。そこには地元国体の開催年度ということで愛媛スポーツ界に対する例年以上のバックアップ体制が見てとれる。その概要を紹介しよう。

 

 同財団は県内スポーツの振興、普及、サポートのために2000年に設立された。創立者である大亀孝裕代表理事は、財団設立の目的をこう述べている。
「近年、スポーツが心身ともに健康な生活を営む上で不可欠なものと認識されています。競技スポーツをはじめ、誰でもいつでもどこでも取り 組める生涯スポーツ等、一層の振興を図るためには、一人一人が様々なスポーツ活動に親しめるよう各般にわたる環境を整えることが大切であり、行政、スポーツ団体、民間等それぞれが役割を分担し、相互に連携・協力を図りながら望ましいスポーツライフ実現のための支援を行っていくことが必要であります。こうした実情を踏まえ、その一助となることを念願して、当財団を設立いたしました。今後とも、愛媛におけるスポーツの向上発展に寄与したいと考えています」

 

 設立以来、同財団は県内の各種スポーツ大会に共催、協賛などの形で積極的に関わり、さらに準備経費や運営費の一部助成などを行ってきた。

 

 選手強化の一助

 

 さらに中学・高校の部活動の後援会活動強化のために必要な経費の一部助成、地域運動クラブや個人への後援会活動強化への一部助成なども積極的に実施。これによって若年層の強化が進み、愛媛県スポーツ界の選手層に厚みが増したことは間違いない。それを裏付ける数字として国体での天皇杯(男女総合)成績をあげよう。3年前から21位(長崎大会)→13位(和歌山大会)→7位(岩手大会)と着実に上昇している。地道な助成活動が地元えひめ国体で実を結ぶことを期待したい。

 

 また同財団では「国体競技施設など整備支援事業」も実施する。これは用具の整備、競技力向上に向けた取り組みに必要な経費の一部を援助するもので、大会成功を側面から支えるものだ。また大会を側面で支える、縁の下の力持ちという意味で県外から注目されているのが、昨年から始まった「えひめママ」制度だ。

 

 これは愛媛県体育協会が中心となって実施しているもので、故郷を離れて慣れない愛媛の地で練習に励む選手たちを対象にして、生活や練習などの環境整備を支援するもの。すでに300人近くが「えひめママ」として名乗りをあげ、各地で活動を行っている。同財団は「えひめママ」の活動を全面的にバックアップし、ボランティアユニフォームなども提供する。

 

 64年ぶりの県内開催となる国体での天皇杯・皇后杯獲得という悲願達成のためには、競技側面からの支援体制の強化も不可欠だ。同財団のバックアップによって、各競技団体、選手が実力以上の力を発揮できることを願ってやまない。

 

 なお、国体優勝のカギを握ると言われている愛媛女子弓道の中心を成すダイキ弓道部は、国体に向けて定期的な県外遠征を含む、集中的な鍛錬を実施予定だ。弓道部青野常孝監督はえひめ国体制覇に向けてこう語った。

「心技体のうち優勝に必要なのはまずは技。県外遠征によって他県の選手と事前に競っておけば、本番で己の技のレベルを把握することができる。それが精神面での安定、平常心で弓を射ることにつながります。なによりも本番で大切なのは平常心を保てるかどうか。いわて国体では精神的な弱さが出たところもあったが、今年はそれをなくしていきたい」

 

 5カ月後に迫ったえひめ国体、地元選手団の活躍とともに大会の成功を祈りたい。当コーナーでは今後も国体開催までの間、愛媛県のスポーツ情報を随時お送りしていく予定だ。


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