J1第7節(4月16日)セレッソ大阪vs.ガンバ大阪戦(ヤンマースタジアム長居)でG大阪サポーターがナチス親衛隊のシンボルマークに酷似したデザインの旗(SS旗)を掲げた行為に関してJリーグは11日、都内で会見を開いた。JリーグはG大阪に対し、始末書の提出と制裁金200万円を科した。

 

 2014年3月8日の第2節、浦和レッズvs.サガン鳥栖(埼玉スタジアム)で掲出された「JAPANESE ONLY」の横断幕事件以降、Jリーグからの注意喚起を受けたG大阪は、今回問題となったSS旗を所持するサポーターグループに対して、以後掲出しないように警告を行っていた。Jリーグ初の無観客試合を招いた一件から、G大阪も差別をなくそうとファン・サポーターに呼びかけていたはずだった。

 

 それにも関わらず、大阪ダービーでG大阪サポーターのひとりは再びSS旗を掲げた。この件をJリーグは重く受け止め、クラブに制裁を科した。

 

 Jリーグ村井満チェアマンは傷心気味にこう、語った。

「我々はスタジアムでサポーターが安全に観戦できるよう配慮することも義務付けられている。安心で安全なスタジアムを確保すること。選手もピッチ上で魅力あるフットボールをすること。ここに全てのエネルギーをかけていくべきだと認識しています。安心安全なスタジアムから逸脱するような行為があったのは事実」

 

 既にG大阪は当該サポーターグループから解散届を受理し、同グループ全員の無期限入場禁止を発表。さらに再発防止のため、G大阪の公式戦すべてにおいて掲出物を禁止した。

 

 サッカーに酔いしれ、一喜一憂するのが本来のスタジアム観戦のあるべき姿だ。スタジアムで自クラブの応援フラッグを掲げ、応援することが楽しみのひとつだというファンも少なくないはずである。

 

 一部のサポーターの差別的な行為により、その楽しみを奪われることほど悲しいことはない。

 

(文/大木雄貴)