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(写真:ゲームメイクも担当するなどコート上で暴れ回ったギャレット<中央>)

 男子バスケットボールリーグ「B.LEAGUE」のチャンピオンシップ(CS)クォーターファイナル第2戦が14日、各地で行われた。東京・代々木第二体育館では東地区2位のアルバルク東京が中地区2位の三遠ネオフェニックスを83-74で破った。A東京は連勝でセミファイナル進出が決定し、中地区3位のサンロッカーズ渋谷を下した中地川崎ブレイブサンダースと対戦する。セミファイナルのもう1試合は東地区1位の栃木ブレックスと西地区1位のシーホース三河となった。

 

◇クォーターファイナル第2戦(A東京2勝)

 ギャレット、19得点7アシストの活躍(代々木第二体育館)

アルバルク東京 83-74 三遠ネオフェニックス

【第1Q】20-23【第2Q】14-15【第3Q】17-9【第4Q】32-27

 

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(写真:田中<24>は16得点を挙げたが、「もっとチームメイトから頼られる存在になりたい」と満足はしていない)

 優勝候補のA東京が、順当に4強入りを果たした。第1戦を90-75で制したA東京は第2戦勝利でセミファイナル進出が決まる。もし敗れたとしても直後に5分ハーフの第3戦が組まれ、勝者が次のステージへと進めるのだ。

 

 SGデュアンテ・ギャレットのレイアップで先制したA東京。序盤は点数の取り合いで、時計の針は進んでいった。A東京はPF竹内譲次のジャンプシュート、PFザック・バランスキーのスリーポイント(3P)、SG田中大貴のレイアップなどスタメンが満遍なくスコアした。だが三遠のチームディフェンスに手を焼き、シュートが思うように打てない。ファウルもかさんで相手にフリースローを与えることも少なくなかった。

 

 17-23と最大6点差までリードを広げられた第1QはPG伊藤大司のブザービーターが決まり、3点差で終えた。第2Qも伊藤拓摩ヘッドコーチ(HC)は「オフェンスが止まっていた」と、なかなかリズムに乗れなかった。それでも、このQだけで田中が9得点、Cトレント・プレイステッドが7リバウンドも奪った。34-38とリードは広げられたものの、田中が「1ケタの点差で終われたのは良かった」と振り返るように射程圏内におさめた。

 

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(写真:20得点10リバウンドのダブルダブルのチルドレス)

 ハーフタイム中に伊藤HCは「人とボールを動かしてアタックしよう」と指示。ギャレットを起点にボールを回す。「ディフェンスから走ることを意識した」(田中)と攻守に動き回ることを重視した。するとバランスキーが9得点を挙げるなど17得点、相手の攻撃も9点に抑えることに成功した。一方、三遠は藤田弘輝HCが「少し硬くなったのか判断が悪く、決めきれなかった」と唇を噛んだように、前半15得点を挙げていたPFロバート・ドジャーのスコアも止まった。

 

 51-47とA東京の4点リードで迎えた第4Qは点の取り合いとなった。どちらかと言えばドジャー、SFジョシュ・チルドレスとスコアラーが偏りがちな三遠に対し、A東京は多くの選手が得点を決めた。ギャレットが9点、竹内とPFジェフ・エアーズが7点、SF菊地祥平が5点。相手に的を絞らせない攻撃で計32得点を挙げ、83-74で第2戦も制した。

 

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(写真:フリースローを含め、シュート成功率は100%だった竹内<15>)

「苦しい時間帯にチーム力を出せた。逆境でもしっかり焦ることなくチームで追いつくことができた」と竹内が口にしたようにチームの底力を示したかたちだ。「後半立て直して、我々がやりたいバスケットを貫けた」と伊藤HC。「三遠さんはすごくタフなチームで、まとまりがある。2連勝できたことで次のステップに繋がる」と語った。

 

 次戦は中地区1位の川崎が相手だ。全体1位の勝利を誇り、1試合平均得点もリーグ最多である。全日本総合選手権(オールジャパン)では敗れており、伊藤HCは「オールジャパンの借りを返して、(ファイナルの)代々木第一でプレーができるようにしたい」と勝利をブースターに誓った。

 

(文/杉浦泰介、取材・写真/大木雄貴)